第91回全国高校サッカー選手権大会県大会(読売新聞社後援)の決勝が10日、横浜市神奈川区のニッパツ三ツ沢球技場で行われ、桐光学園が1―0で座間を破り、2年連続で優勝を決めた。全国大会は12月30日から東京・国立競技場など9会場で行われ、組み合わせ抽選会は今月19日に行われる。
桐光学園がチャンスを確実に得点に結びつけ、接戦を制した。
桐光学園は前半、4本のシュートを放ったが、相手GKの好セーブで得点できず、拮抗(きっこう)した試合になった。均衡が崩れたのは後半29分、主将のDF大田隼輔が右サイドから中央の空いたスペースにパスを送り、ボールを受けたFW野路貴之がドリブル突破を仕掛け、相手のファウルを誘った。ペナルティーエリア付近からMF松井修平が直接FKでゴールを決め、決勝点となった。
座間は後半、桐光学園を上回る5本のシュートを放ったが、桐光学園の守備を崩せなかった。
試合後、桐光学園の佐熊裕和監督は「選手たちが我慢強く守ってくれた。昨年の全国大会の雪辱を必ず果たしたい」と話した。大田主将は「準決勝の時より、サイドを意識した攻撃ができた。全国の頂点を目指して戦う」と意気込んだ。
座間の内田雅之監督は「選手はよく頑張ったが、厚みのある攻撃ができなかった」と語った。
◇力まず制球、先制点に笑顔 桐光学園3年MF 松井修平選手
後半、FKのチャンスが巡ってきた。直接ゴールが狙える位置。目の前に相手選手9人の壁がそびえ立った。「右の方が高いから左の方がコースを狙いやすい」。コースが決まった。放ったシュートはゴールネットを大きく揺らした。試合の流れをつかむ先制点を決め、仲間と抱き合った。
兄の影響で小1からサッカーを始めた。以来MF一筋。中学時代は川崎フロンターレのクラブチームに所属していたため、中村憲剛選手に憧れている。どんな場面でも得点に絡んでいきたい。試合後、佐熊裕和監督に「松井は間違いなく主力選手」と言わしめた。
試合をした球技場は、ゴールの後ろに観客席があるため、距離感がつかめず力んでしまうことが多かったが、この日は力まず、コントロールできた。
決勝ゴールを決め、仲間やスタンドに応援に来てくれた友人と喜びを分かち合った。普段は感情を表に出さないが「昨年の県大会決勝でもゴールを決めた。でも昨年は運良く得点できただけ。均衡を破った今年の得点の方が喜びが大きい」と笑った。試合後、チームメートと誓った。「全国で、桐光の新しい歴史を作るんだ」(坂場香織)
【決勝]
桐光学園 1-0 座間