練習場に掲げてきた「目指せ国立(競技場)」の看板が、ついに現実となった。鵬翔が全国高校総体4強の立正大淞南を退け、宮崎勢初の準決勝進出を決めた。
1回戦で強豪・八千代(千葉)から7得点した相手の強力攻撃陣に何度も突破を許したが、中盤を含めた守備網が威力を発揮。1人が抜かれても別の選手が次々と立ちふさがり、体を張って猛攻をしのいだ。
流れを作ったDF陣は攻撃でも大活躍。前半、センターバックの原田がコンビを組む芳川のFKに頭で合わせて先制し、サイドバックの柏田もこぼれ球に詰めて加点。後半、PKで1点差に迫られた直後にも芳川が頭で押し込み、相手が得意とするセットプレーから全得点をたたき出した。
興梠(鹿島から浦和移籍)を擁して2004年度に8強入りしたが、ここ5大会は中高一貫強化で力をつけた日章学園に代表を明け渡していた。「守備からやらないと県内で勝てない」と感じた松崎監督は大学生との対外試合を積極的に組み、守りの強化を徹底。「前線や中盤の意識も変わった」(芳川)という成果は全5試合でPKの1失点のみだった県予選で表れ、今大会も4試合1失点と崩れない。
昨年1月に事故で長男を亡くした指揮官は「夢じゃないかと思う。こんなに強かったのかと思うくらい、選手はたくましく頑張ってくれた」と目を細めた。
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