PK戦での勝利を見届けた鵬翔の松崎監督は興奮を隠せなかった。「神懸かりという言葉を何回も使わせてもらいますけど、子供たちはそういうものを持っている気がします」。1、2回戦ではいずれも0-0からのPK戦を制し、薄氷を踏む思いで宮崎県勢初の4強までたどり着いたチームが、ついに頂点まであと一歩と迫った。
誤算続きの準決勝だった。「手違い」(松崎監督)で星稜の試合映像が入手できず、相手の2トップが長身という情報もメンバー表で初めて認識したという。4試合でPKの1失点にとどめてきた堅守も早々に崩され、前半14分に失点。それでも「自分たちのプレーをするだけ」(沢中)と選手はぶれなかった。
31分には、それまで2人がフェイクを入れたFKのやり方を変えて相手を惑わせ、小原が右足で直接ゴール。後半36分に勝ち越されても、2分後に東がFKからのこぼれ球を押し込んで再び追い付いた。準々決勝以降の5得点はいずれもセットプレーから。「県予選から結構決まっている」(小原)という武器を引っ提げ、国立でもう一暴れする。
【MSNスポーツ】