2015サニックス杯は決勝が行われ、U-17韓国代表が青森山田に2−1で勝利し、初優勝が決めた。
決勝は両国の国家斉唱を行い、22日13次30分にキックオフ。立ち上がりペースを掴んだのは青森山田、この日FWの17番鳴海がファースト、その後ゴール前になると5番原山のロングスローに188cmのCB、常田と近藤がゴール前に上がり、ゴールを脅かす。守備も韓国にボールを持たれるが、予選からここまで大津高校戦以外は無失点の守備が落ち着いて対応相手へチャンスを作らせない。
しかし、先制点はあっけなく決まった。前半10分左サイドの7番パクサンヒョクが左サイドから中央に持ち込み低い弾道のシュートで先制した。青森山田のペースだったため、痛い失点となった。その後も強烈なミドルシュートがクロスバーを叩くなどチャンスを演出し続けた。試合巧者の韓国はここからボールをキープする。青森山田のプレスを高い技術で活かしてサイドへのパスで起点を作り、ドリブルやワンツーで青森山田ゴールに迫る。このまま前半終了かと思ったが、韓国の11番ユシンミンが負傷退場、代わって12番パクサンヒャクが入った瞬間、青森山田は相手の隙をついてゴール前のゴールは右MFの豊島が撃ち損じたシュートがバウンドして相手GKのタイミングを崩してゴールネットに吸い込まれ同点に追いつき前半を終了した。
後半になると、青森山田はロングボールだけでなく、今年1月、東京ヴェルディユースから転校したMF10番神谷を中心をショートパスとドリブルを絡めた攻撃を展開、韓国はボールを奪うとサイドへボールを回し鋭いカウンターで応戦するなど好ゲームとなった。
しかし、先に逆転のゴールを決めたのは韓国だった。後半15分、1点目を決めたパクサンヒャクが今度は右サイドからのドリブルで中央のCBの間へのクロス、左に流れたこぼれ球を途中出場のパクサンヒャクがシュート。これまで好セーブを続けていた青森山田GK廣末の手を弾きそのままゴールに吸い込まれた。
点を取るしかない青森山田は、ロングスローでサイド攻撃、元気のいい選手を投入し韓国ゴールに迫るが、ゴールを奪えない。結局そのままタイムアップ。U-17韓国代表が初優勝を決めた。
U-17韓国代表は文句なしの優勝だった。チーム全員が高い技術を持ち、特にトラップが上手く、ボールの置き所が良いため、ボールを取られず次のプレーを選択しやすい。更にパスコースを作る動きも上手いので、攻撃時はゴール前までボールを運べている。守備はリスクを避けしっかりクリアするが、DFからロングボールで中盤を省略することはなく、日本がやりたいサッカーを実践していた。
前線の選手は、点取り屋のエースの10番ユソンミン、トップ下とボランチをこなす9番キムジュンミン、先制点を決めたパクサンヒャクなど好選手が多い。日本の選手も彼らに見習う点が多かったはずだ。来年の大会にも是非来てもらい、東アジアのライバル同士としてユース世代でも切瑳琢磨して欲しい。
一方の青森山田は敗れたとはいえ、立派な準優勝だ。冬は雪の影響でグラウンドが満足に使えない環境の中、毎年このサニックス杯が初めての実践の場となる。毎年メンバーが変わる中、黒田監督は今年も魅力的なチームを作り上げようとしている。1年生GK廣末は安定感が増し、DF近藤と常田の188cmのCBコンビは高さを活かした守備とセットプレーで相手に脅威を与える。右サイドバックの原山はロングスローで上がってきたCBの2人に合わせる。左サイドバックの北城は主将として攻守に安定している。右サイドは素材系のスピードスター豊島、セカンドトップには東京ヴェルディユースの神谷が高い技術でゴールを狙う。春先から好スタートをきった青森山田にも注目だ。