第91回全国高校サッカー選手権が30日、東京・国立競技場で開幕した。開会式後に行われた開幕戦では、8年ぶり2回目の出場の実践学園(東京B)と、2年連続14回目の出場の東海大五(福岡)が対戦。実践学園は後半7分、相手のハンドの反則からDF鴻田直人主将のPKで先制すると、同8分にはMF原大和(3年)が左サイドからドリブルでDFが振り切り、GKの股を抜く芸術的なシュートで追加点。東海大五も後半37分にFW小林秀征(3年=ファジアーノ岡山内定)が相手のクリアボールをもたつくところを右足で蹴り込み、ゴールで1点を返したが、実践学園が2-1で逃げ切った。実践学園は2回目の全国選手権出場で初勝利。来年1月2日の2回戦に駒を進めた。
雨の中の開幕戦となった対決。前半の序盤は東海大五が足元の技術の高さと前線のタレントのスピートを活かし、有利に進めるが、実践学園もDF鴻田直人主将(3年)、187cmの長身DF尾崎快斗(3年)を中心とした実践学園の粘り強いディフェンスと中盤で数的有利な状況を作り出し、東海大五にペースを握らせなかった。
後半になると両チーム、雨の影響からなのか、終始ロングボールの蹴りあいとなり、膠着状態になるかと思われた。しかし、後半7分、自陣PA内でクリアしようとした東海大五のDF山村欣也(3年)がハンドを取られ、実践学園がPKを獲得。これをキャプテンの鴻田が落ち着いてゴール左隅にねじ込み、先制点を奪った。さらに1分後の8分には東海大五のバックパスにプレッシャーをかけた原がボールをカット。そのままドリブルで切れ込み、DF一人をかわして左足でゴール右へ流し込んだ。
東海大五は両CBを前線に上げて、パワープレーに活路を見い出す。そして後半37分、GK鈴木光(2年)からのパントキックにだれも触れられず、そのまま相手ゴール前まで抜けてきたボールを小林が右足で流し込んだ。その後は東海大五が押し込み、3分間のロスタイムでは、打ったシュートが右ポストを叩くなど、決定機を作ったが、得点は奪えず試合終了。
2年連続で開幕戦で敗れ、またしても国立で涙をのんだ。一方、全国選手権初出場を果たした04年度大会は初戦敗退だった実践学園。2回目の出場で記念すべき初勝利を飾り、2回戦進出を決めた。
得点者【実】鴻田(後半7分)、原(後半8分)
【東】小林(後半37分)