第91回全国高校サッカー選手権は12月30日、東京・国立競技場で開幕する。31日の1回戦で仙台育英(宮城)は高知(高知)と対戦する(午後2時10分、埼玉スタジアム2002)。その試合の応援に、なでしこジャパンの佐々木則夫監督(54)が駆けつけることが11日、分かった。仙台育英の城福敬監督(55)が明かしたもの。ロンドン五輪で女子日本代表を銀メダルに導いた名将の声援も力に、まずは初戦突破を目指す。
8年ぶりに全国で戦う仙台育英イレブンに、頼もしい“援軍”が登場することになった。「なでしこ(ジャパン)の佐々木監督から、応援に行くと連絡があった。本当にありがたいこと。選手にとっていい刺激になる」と城福監督。“名将”の声援も力に変え、1回戦突破へ全力を尽くす構えだ。
両監督の間でも親交はあるが、仙台育英の鈴木武人コーチ(54)と佐々木監督は、同じ明大サッカー部で同級生。4年間、寮で同じ釜の飯を食った盟友だ。その縁から、今年の3月には宮城県内で合宿中だったなでしことの練習試合が実現。試合後には、佐々木監督から激励を受け「全国に出ろよ」と書かれたサイン入りTシャツまで手渡された。寮の一室に飾られたシャツを見て、イレブンは発奮。その言葉を胸に、県予選を戦い抜いた。
選手権に向け汗を流す仙台育英イレブン
なでしことの戦いは、刺激にもなった。DF鮫島彩(25)らレギュラー組との約15分の練習試合では3―0で完勝。ただ、反省点も残った。「相手にずっとパスを回されていた。こういうサッカーがしたいと思いました」とFW浅田湧太(2年)。パスサッカーに磨きをかけるため、連係の重要さを再確認。夏以降の練習につなげた。
援軍は、国内からだけではない。この日までにトルコサッカー協会からも「応援に行きます」と連絡があった。実は昨夏、「被災地のサッカー少年を勇気づけたい」という同協会の意向で、部員約50人がトルコまで招かれた経緯があった。同協会関係者も、再会を楽しみにしていると言う。城福監督は「元気でサッカーができるのは素晴らしいこと。生徒には、伸び伸びとプレーしてほしい」と期待を込めた。様々な形での応援も背に、仙台育英イレブンは全力で戦う。
【スポーツ報知】