鵬学園高等学校(石川県)
鵬学園高等学校は、石川県七尾市に所在する学校法人七尾学園が運営する私立高等学校である。サッカー部は2002年に創部され、わずか14年後の2016年に全国高校サッカー選手権に初出場。その後2019年に3年ぶり2回目の出場、2024年には2度目の準優勝の座を占める金沢学院大学附属を破って8年ぶり3回目の出場を決めるなど、石川県の有力校として急速に台頭してきた。赤地信彦監督の采配の下、全寮制環境を活かした人材育成で知られ、初のJリーガー・永田貫太を輩出した実績を有している。
目次
学校の設立と概要
鵬学園高等学校は、昭和35年(1960年)に七尾市袖ヶ江町に新校舎を着工し、昭和36年に七尾女子高等学園として開校したことに始まる。昭和38年には七尾女子高等学校へと改称し、その後の教育体制の充実と共学化への対応を経て、平成2年に男女共学化を実現。同時に学校名を「鵬学園高等学校」へと改めた。
平成7年には衛星放送施設を完備し、情報教育と国際化への対応を先行させた。平成11年から12年にかけては福祉系学科を設置し、社会人材の養成にも力を注ぐようになった。平成22年には福祉科の募集を一度停止した後、普通科内に福祉コースを新設し、専攻を選択可能な体制に再編。同時に清明寮(女子寮)を再開している。
サッカー部の飛躍に呼応する形で、平成25年(2013年)には本校グラウンドとサッカー専用施設、野球場を完成させ、部活動の環境整備を急速に進めた。令和6年には普通科に新たなコースを設置し、教育カリキュラムの多様化を図っている。令和7年9月には第2キャンパスの人工芝サッカーグラウンドが完成し、練習環境はさらに充実。能登半島地震の被害からの復興過程にあり、新たな施設投資によって地域への貢献と学園の活性化を同時に目指している。
サッカー部創部の経緯
サッカー部の創部は2002年。翌2003年に赤地信彦氏が監督に就任するまでの約10年間は、創部初期のあゆみを静かに進めていた。赤地氏は2012年に正式に鵬学園高校サッカー部の監督に就任。金沢西高等学校と金沢星稜大学でディフェンダーとして活躍した現役時代を経て、社会人として4年間の会社勤めを経験した後、指導者への道を選んだ異色の経歴を持つ。大学卒業時に国体選抜に選ばれた際には、日本代表の本田圭佑とピッチを共にした経験もある。
赤地監督就任後、チームは急速な成長を遂げた。全寮制という環境を最大限に活かし、全国から選手を集めた結果、創部から14年後の2016年に初の全国高校サッカー選手権出場を達成。その初出場時には、石川県予選で17連覇中だった強豪・星稜高校を撃破しての勝ち上がりであった。以来、選手権には2019年、2024年を加えて通算3度出場。2024年度の県予選では、前年度優勝校である金沢学院大学附属高校を破って全国切符を獲得した。
同時に育成成果も目立つ。全国初のJリーガー・永田貫太を輩出し、プロの舞台での活躍に弾みをつけた。2023年度の高円宮杯プリンスリーグ北信越では優勝を果たし、プレミアリーグへの昇格を実現させるなど、全国舞台での存在感を徐々に高めている。
現監督と指導陣
- 赤地信彦(あかち のぶひこ)(在籍期間:2012年〜在任中)
1970年代生まれ。金沢西高等学校と金沢星稜大学でディフェンダーとして活躍。大学卒業後は民間企業に4年間勤務し、指導者志望を胸に会社員生活を送った後、2012年に鵬学園高等学校サッカー部監督に就任した。異色の経歴を持つ指導者として、「ゼロからの出発」という視点から、全国への道を切り開いた。
監督の指導哲学は「走る・声を出す・魂際」の3原則を掲げた激しいプレッシング・ディフェンスと、全寮制の規律ある集団生活の融合にある。全国から集まる選手たちを一つのチームにまとめ上げ、わずか14年で全国大会出場を実現させた実績は、石川県サッカー界の指導者の中でも注目を集めている。
2016年度の初出場以来、選手権に3度の出場実績を有し、2024年度には8年ぶりとなる3度目の選手権出場を導いた。県大会での有力校に対抗する地位を確立しており、現在も石川県内の筆頭指導者として活動を続けている。
- 秋山裕紀、平場誠志郎(指導者)
秋山裕紀・平場誠志郎の両名がコーチとして赤地監督を補佐している。
全国大会などでの成績
全国高校サッカー選手権大会には通算3回出場。2016年度の初出場時には石川県予選で17連覇中の星稜高校を撃破しての出場。2019年度には3年ぶり2回目、2024年度には8年ぶり3回目の出場となった。2024年度出場時には1回戦で金沢学院大学附属と対戦し、0-0のPK戦で3-4と敗れた。
夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)には2026年度に初出場を果たし、県大会では激闘を繰り広げた。
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ北信越では、2023年度に優勝してプレミアリーグへ昇格。2024年度はプレミアリーグに所属し全国舞台での戦いを経験した。現在は北信越1部での競技を続けている。
全国高校サッカー選手権大会
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2016年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(1回目) | 3回戦敗退(詳細記録未確認) | 初出場/石川県予選で17連覇中の星稜を撃破/優勝・東福岡(福岡) |
| 2017年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(石川県大会) | 県大会敗退(詳細記録未確認) | 鹿児島県代表は…(国内代表校の優勝校名のみ) |
| 2018年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(石川県大会) | 県大会敗退(詳細記録未確認) | 鵬学園は県内有力校との競争に敗退 |
| 2019年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(2回目) | 詳細記録未確認 | 初出場から3年ぶり2回目の出場/優勝・静岡学園(静岡) |
| 2020年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(石川県大会) | 県大会敗退(詳細記録未確認) | 鵬学園は県内有力校との競争に敗退 |
| 2021年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(石川県大会) | 県大会敗退(詳細記録未確認) | 鵬学園は県内有力校との競争に敗退 |
| 2022年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(石川県大会) | 県大会敗退(詳細記録未確認) | 鵬学園は県内有力校との競争に敗退 |
| 2023年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(石川県大会) | 県大会敗退(詳細記録未確認) | 鵬学園は県内有力校との競争に敗退 |
| 2024年度 | 鵬学園 | 全国高校サッカー選手権大会(3回目) | 1回戦敗退:1回戦●0-0(PK3-4)金沢学院大学附属 | 8年ぶり3度目の出場/優勝・前橋育英(群馬) |
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 鵬学園 | 全国高校総体(インターハイ)(1回目) | 出場(詳細記録未確認) | 初出場/優勝・静岡学園(静岡) |
高円宮杯プリンスリーグ北信越
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名 | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 鵬学園 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ北信越 | 1部優勝 | 優勝によるプレミアリーグ昇格 |
| 2024年度 | 鵬学園 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ | プレミアリーグWEST 12位 | この年限りで北信越1部へ降格 |
| 2025年度 | 鵬学園 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ北信越 | 1部参戦(詳細成績未確認) | 北信越1部での復帰 |
| 2026年度 | 鵬学園 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ北信越 | 1部 8位(シーズン中) | 北信越1部での継続参戦 |
部員数とカテゴリー構成
部員数は77名。2026年度時点で3年生23名、2年生28名、1年生26名の構成である。全国から選手を受け入れる全寮制をとるため、部員の大多数が寮生活を送っている。
カテゴリー構成としては、高円宮杯プリンスリーグ北信越に参戦するトップチームと、U-16ルーキーリーグ北信越に所属する下部年代チームの二層構成。若年層からの段階的育成体制を整えている。
ユニフォーム
トップチームのユニフォームはシャツ・ショーツ・ソックスが青色を基調とした統一仕様を採用している。セカンドユニフォームは白色ベース。ゴールキーパーユニフォームは黄色を基本に、サブとして別色を備えている。
寮と練習環境
サッカー部の選手は学校運営の全寮制環境で生活している。計約100名の寮収容力を有し、県内外から選手を受け入れる体制を整えている。
鵬翔寮は約50名を収容する男子専用寮で、全室冷暖房完備。3食付きの食事体制が敷かれ、ただし土曜昼夜・日曜朝昼は試合や遠征の関係で各自対応となる。洗濯機14台を完備し、集団生活に必要な環境が整えられている。鵬会館は約20名の男子寮、清明寮は約25名の女子寮としてそれぞれ運営されている。
2025年度入学生の入寮費は15,000円(初回のみ)で、月額寮費は65,000円となっている。
練習環境は充実しており、本校グラウンドに加えて令和7年9月に完成した第2キャンパスの人工芝サッカーグラウンド(1面とサッカー半面、GK専用練習スペース)を擁する。複数グラウンドでの練習体制により、質の高いトレーニング環境が確保されている。能登半島地震による被害を受けながらも、第2グラウンドの完成に向けてクラウドファンディングを実施し、地域と一体となって施設復興に取り組んだ。
強化の成果と育成実績
チームのスタイルは「走る・声を出す・魂際」の3原則に基づいた激しいプレッシング・ディフェンスを軸としている。全寮制による規律ある集団生活と、このスタイルは表裏一体で機能している。
育成実績としては、2023年度に初のJリーガー・永田貫太を輩出した点が最大の成果である。永田は高校選手権に出場し、その後藤枝MYFC(J3)を経て活躍の幅を広げている。
近年の強化も目立つ。2023年度のプリンスリーグ北信越優勝による全国舞台への昇格、2024年度の県大会決勝での金沢学院大学附属撃破による8年ぶり選手権出場など、石川県筆頭校としての地位を確立している。2026年度のインターハイ出場も現実となり、全国大会での連続出場体制を構築しつつある。
主なプロ選手一覧
- 2022年度卒:永田貫太(鵬学園高等学校 → 藤枝MYFC)※鵬学園初のJリーガー
その他の進学先や大学経由でのプロ進出について、詳細データは今後の追加調査による充実を予定している。
出典
本記事の作成に当たり、以下の出典を参考にしています:
- 鵬学園高等学校公式ウェブサイト(https://www.ohtori.ed.jp/)
- 【公式】鵬学園サッカー部WEBSITE(https://www.ohtorifootball.com/)
- JFA公式ウェブサイト(https://www.jfa.jp/)
- 全国高校サッカー部ネットワーク(koko-soccer.com)
- U-16ルーキーリーグ北信越公式サイト
- 各種スポーツメディア報道





















