全国高校サッカー選手権大会(読売新聞社など後援)の準決勝が行われた12日、星稜は東京都新宿区の国立競技場で鵬翔(宮崎)と対戦。2―2の同点で迎えたPK戦(3―4)で惜敗した。本田圭佑選手(CSKAモスクワ)を擁した83回大会でも準決勝のPK戦で敗れており、悲願の決勝進出を目指したが、今回もあと一歩及ばなかった。それでも、快進撃を続けた選手たちに観客席からは惜しみない拍手が送られた。
開始早々からサイド攻撃を続ける星稜は14分、采女が右サイドから上げたクロスが相手DFに当たり、走り込んだ寺村が左足で合わせて先制した。しかし31分、ゴール正面で与えたFKを直接決められると、流れは鵬翔に。攻め込まれる時間帯が続いたが、森下や寺田が体を張って守り抜いた。
後半は高い位置でボールを奪う攻撃的なスタイルを取り戻し、81分、右サイドからの仕掛けに飛び込んだ井田が追加点を挙げた。
試合は決まったかに見えたが、河崎護監督が「最後まで勝負に徹した相手の姿勢に負けた」と語るように、直後の83分、セットプレーのこぼれ球を決められ、再び振り出しに。PK戦では4人目から3人が連続して外すなど、競り負けた。
河崎監督は、「大会を通じて、チームプレーの意識が高まり、3年生を中心によく勝ち上がってくれた」と、選手たちの健闘をねぎらった。
◇星稜なでしこ返礼の大声援
星稜のスタンドには、“星稜なでしこ”も駆けつけ、イレブンのプレーを後押しした。
男子チームは今大会への出場が14年連続23回目を誇る強豪だが、女子サッカー部は昨年4月にできたばかり。なでしこジャパン(女子日本代表)人気もあってか15人が入部。男子チームの河崎護監督の次女で、サッカー経験者の主将・美穂さん(2年)が中心になって活動している。準決勝では、14人が国立の舞台に立つ男子に声援を送った。
初心者がほとんどで、昨年の大会では北信越予選で敗退。だが、応援に来た男子チームに勇気をもらったといい、この日の試合の先制シーンでは、メガホンをたたいて歓喜の声をあげた。
美穂さんは「今年こそ全国大会に出場して、男子に続きたい」と刺激を受けていた。
【読売新聞】