16日にJ2山形との天皇杯3回戦(駒場)を控える浦和が、ユースチームに所属している16歳のFW邦本宜裕を大抜てきする可能性が出てきた。邦本は最終調整となった15日、トップチームの練習に来季昇格が内定しているU―18日本代表FW関根貴弘(18)とともに参加。過密日程で大幅なメンバー入れ替えが濃厚な中、20年東京五輪のエース候補が起用される可能性が高まった。
Jクラブで唯一、今季3冠の可能性が残されている浦和が“大勝負”に出る。12日に行われた川崎Fとのナビスコ杯準決勝第2戦から中3日。3位につけるJ1で19日には山形戦から中2日でリーグ4位・鹿島との大一番が控えている。過密日程の下、ペトロヴィッチ監督は「どうチームバランスを維持させるかは難しい。天皇杯も強い気持ちで勝ち上がりたいし、現時点でのベストで臨む」と話したが、川崎F戦から先発を総入れ替えして挑むことになる。
ユースからも期待値の高い選手を呼び寄せた。1人は来季昇格が内定しているFW関根。そして今月8日に16歳になったばかりのFW邦本だ。主力温存を強いられる状況で両名ともベンチ入りする可能性が高くなった。
中でも16歳と若い邦本の招集は異例中の異例だ。既に6月の北海道キャンプにも参加。9月末の練習試合・湘南戦でも出場しているが、プロ契約を結んでおらず、この日は取材対応がなかった。ドリブル突破が得意で両足から放つ精度の高いシュートが持ち味。この日のミニゲームでもトップチームの選手を相手に物おじせずプレーし、ゴールを決めるなど高い潜在能力を見せつけた。山形戦では流れを変える役割が期待されそうだ。
指揮官も「才能があるし、将来的にはトップチームに合流する可能性がある」と評価。16歳8日でトップチームデビューとなればFWエスクデロ(現FCソウル)が05年7月に残した16歳8カ月20日を大幅に更新するクラブ最年少記録となる。
20年に開催される東京五輪世代。ここで活躍すれば浦和だけではなく、日本サッカー界にも明るいニュースとなる。
【スポニチ】