◆全国高校サッカー選手権 ▽3回戦 作陽5―2滝川二(3日・フクダ電子アリーナ) 3回戦8試合が各会場で行われ、ベスト8が出そろった。作陽(岡山)は地元のなでしこリーグの強豪・岡山湯郷仕込みの変幻自在のサッカーで、前々回の優勝校・滝川二(兵庫)に5―2と圧勝。準々決勝4試合は5日に行われる。
いつでも、どこからでもゴールが生まれる。作陽が持ち味の美しさを存分に見せつけ、準優勝した06年大会以来の8強進出を決めた。前半32分にFW三野のミドルで先制すると、後半8分にはDF河面(かわづら)が壁5枚の上を越えるFKで追加点。強豪・滝川二から5得点を奪い、野村雅之監督(46)は「ウチらしさが出せました」と評価した。
真骨頂は3点目だ。右サイドバックの丸野が三野とのワンツーパスでゴール前にまで侵入して決めた。ポジショニングの感覚を鍛える鬼ごっこなど頭を使うトレーニングを積み、変幻自在な攻撃がさらに進化。2得点1アシストの三野は「全員で意思統一ができていますから」と胸を張った。
普段の練習相手は、なでしこジャパン主将MF宮間あや(27)を擁する岡山湯郷。132人の部員が入れ代わり立ち代わり練習試合を行い、湯郷からは次戦の相手と同じようなプレースタイルを求められるという。ある時はカウンター中心、ある時はポゼッション(ボール保持)中心など細かな要求に応え続けたことで選手が成長。チーム関係者は「仮想INACというリクエストもありました。我々の勉強にもなっていますね」と話した。
2回戦の富山一戦ではMF山本が警告2枚で退場。この日は後半21分にMF青木が一発レッドを食らうなど、連日10人になりながらも勝利をつかんだ。「2日続けて退場は初めてだし恥ずかしい。もっとスマートに進めなきゃダメですね」と野村監督は気を引き締めた。準々決勝の相手はV候補の桐光学園。難敵を下せば、岡山県勢初の優勝も見えてくる。
【スポーツ報知】