福岡大学附属若葉高校(福岡県)
福岡県福岡市中央区荒戸に所在する学校法人福岡大学の附属校・福岡大学附属若葉高等学校の男子サッカー部。2019年4月の男女共学化に伴い創部された新興チームでありながら、福岡大学サッカー部との強固な「高大一貫」指導・連携体制と緻密なパスサッカーを武器に急成長を遂げた。激戦区・福岡県において東福岡や飯塚といった全国王者・強豪校としのぎを削り、創部6年目となる2024年に全国高校総体(インターハイ)初出場・全国ベスト16進出を達成するなど、高校サッカー界の勢力図を塗り替える新鋭として全国的な注目を集めている。
目次
学校の設立と概要
福岡大学附属若葉高等学校は、1907年(明治40年)に創立された「私立九州高等女学校」をその起源とする伝統ある私立高等学校である。創立者の釜瀬新平氏によって女子教育の拠点として開校され、1948年(昭和23年)の学制改革に伴い「九州女子高等学校」へと改称された。長年にわたり福岡県内における女子私学の雄として数多くの有為な女性人材を世に送り出し、女子バスケットボール部やダンス部、水泳部などにおいて全国規模の輝かしい実績を打ち立ててきた。
2010年(平成22年)、学校法人福岡大学との間で学校統合が行われ、現在の校名である「福岡大学附属若葉高等学校」へと改称。西日本屈指のマンモス総合大学である福岡大学の直系附属高校としての新たな歴史をスタートさせた。
その後、創立110周年を超える歴史の節目において教育改革が進められ、2019年(平成31年)4月に創立以来初となる男女共学化を実施した。校訓「前進」「協調」「創造」の精神のもと、現在は「スーパー特進コース」「グローバルコース」「高大一貫コース」の3コース制を展開。福岡大学への強固な内部推薦・連携ルートを活かした高大一貫教育や国公立・難関私立大学への高い現役進学実績を誇り、文武両道をハイレベルで体現する男女共学の進学校として確固たる地位を築いている。
サッカー部創部の経緯
福岡大学附属若葉高等学校サッカー部は、2019年(平成31年)4月の男女共学化と同時に男子サッカー部として新規創部された。創部にあたっては、福岡大学サッカー部監督であり大学サッカー界を代表する名将・乾真寛氏の全面的なプロデュースのもと、大学サッカーの強豪である福岡大学との「高大一貫強化プロジェクト」の中核としてチーム設計が行われた。
初代監督には、東福岡高校のコーチとして全国高校総体や全国高校選手権優勝に貢献し、九州国際大学の監督や福岡県サッカー協会技術委員長などを歴任した杉山公一氏を招聘。創部当初は1年生のみの少人数からスタートしたものの、明確な育成ビジョンと福岡大学の人工芝サッカー場を活用したハイレベルなトレーニング環境が多くの有望な中学生の関心を引きつけた。
創部初年度から福岡県高体連の公式戦や九州地区のU-16ルーキーリーグ(球蹴男児U-16参入リーグ・挑男)に参戦し、カテゴリーを急速に駆け上がった。創部3年目の2021年にはインターハイ福岡県予選で初の県大会出場を果たすと、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ福岡県リーグでも順調に昇格を重ねて瞬く間に県1部リーグへ定着。
そして創部6年目を迎えた2024年の全国高校総体福岡県予選において、決勝で東海大学付属福岡高校を1-0で破り、創部以来初となる福岡県大会優勝を達成。東福岡高校が長年君臨してきた福岡の勢力図を塗り替え、創部最短クラスのスピードで全国高校総体(インターハイ)全国大会初出場という歴史的快挙を成し遂げた。
現監督と指導陣
- 杉山公一(すぎやまこういち)(在籍期間:2019年〜在任中)
福岡大学卒業。現役時代を経て指導者の道へ進み、東福岡高校サッカー部でコーチを務め全国制覇を支えた後、九州国際大学サッカー部監督、福岡県サッカー協会技術委員長を歴任。2019年の創部と同時に福岡大学附属若葉高校サッカー部初代監督に就任した。緻密なポジショナルプレーと「高大一貫」の育成システムを構築し、創部わずか6年で2024年インターハイ全国大会初出場およびベスト16進出へ導いた。
このほか、福岡大学サッカー部総監督の乾真寛氏がチームの強化アドバイザー・統括として深く関与しているほか、福岡大学サッカー部出身の専任コーチ陣や専門フィジカルコーチ、専属トレーナーが日々のトレーニング・メディカル面を強力にサポートしている。
全国大会などでの成績
福岡大学附属若葉高校サッカー部は、2019年の創部以来、驚異的なスピードで激戦区・福岡県および九州トップクラスの強豪へと成長を遂げた。
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)においては、2024年度の福岡県予選を初制覇し、創部6年目で悲願の全国大会初出場を果たした。福島県で開催された全国大会本戦では、1回戦シードから2回戦で阪南大高(大阪)をPK戦の末に破り全国初勝利を飾ると、3回戦で優勝校の昌平(埼玉)と接戦を演じて全国ベスト16(3回戦進出)という鮮烈な足跡を残した。
全国高校サッカー選手権大会においては、強豪ひしめく福岡県大会(2次予選)において2022年度、2023年度、2024年度と連続してベスト4(準決勝進出)や上位進出を果たしており、全国大会初出場へ向けて常に優勝候補の一角に名を連ねている。
高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグにおいては、福岡県各部リーグを毎年制覇して昇格を重ね、県最上位である福岡県1部リーグで優勝を争うトップチームへと成長。プリンスリーグ九州参入戦へ進出するなど、高体連・クラブユースを交えた通年リーグ戦でも屈指の強さを誇っている。また、ルーキー世代(U-16)においても「球蹴男児U-16リーグ」のトップディビジョンに定着し、早期から全国基準のインテンシティを体現している。
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(福岡県予選) | 地区予選敗退 | 創部初年度(1年生のみで参戦)/優勝・東福岡(福岡) |
| 2020年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(福岡県予選) | 大会中止 | 新型コロナウイルス感染拡大の影響により全国大会・予選ともに中止 |
| 2021年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(福岡県予選) | 県大会進出(ベスト16) | 創部以来初の県大会出場/優勝・飯塚(福岡) |
| 2022年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(福岡県予選) | 県ベスト8 | 県上位進出/優勝・九州国際大付(福岡) |
| 2023年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(福岡県予選) | 県ベスト8 | 優勝・東福岡(福岡) |
| 2024年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(インターハイ)(1回目) | ベスト16(3回戦進出) | 全国初出場初勝利(福岡県予選初優勝)/優勝・昌平(埼玉) |
| 2025年度 | 福大若葉 | 全国高校総体(福岡県予選) | 県ベスト4 | 優勝校の詳細記録なし |
全国高校サッカー選手権大会
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | 1次予選敗退 | 創部初年度/優勝・筑陽学園(福岡) |
| 2020年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | 1次予選敗退 | 優勝・東福岡(福岡) |
| 2021年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | 2次予選進出(ベスト16) | 創部初の2次予選進出/優勝・東福岡(福岡) |
| 2022年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | ベスト8 | 2次予選準々決勝進出/優勝・飯塚(福岡) |
| 2023年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | ベスト4(県第3位) | 準決勝進出/優勝・飯塚(福岡) |
| 2024年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | ベスト4(県第3位) | 準決勝進出/優勝・東福岡(福岡) |
| 2025年度 | 福大若葉 | 全国高校サッカー選手権(福岡県大会) | ベスト8 | 優勝校の詳細記録なし |
高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ(福岡県リーグ・プリンスリーグ九州参入戦)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名 | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ3部 | 優勝(2部昇格) | 創部初年度で県2部へ自動昇格 |
| 2020年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ2部 | 上位(昇格決定) | コロナ短縮日程/県1部へ昇格 |
| 2021年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ1部 | 4位 | 県1部初参入で上位進出/優勝・九州国際大付(福岡) |
| 2022年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ1部 | 3位 | 優勝・飯塚(福岡) |
| 2023年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ1部 | 2位 | 優勝・飯塚(福岡) |
| 2024年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ1部 | 優勝(プリンス九州参入戦進出) | 県1部初優勝/プリンスリーグ九州参入戦進出 |
| 2025年度 | 福大若葉 | 高円宮杯 JFA U-18サッカー福岡県リーグ1部 | 2位 | 優勝チームの詳細記録なし |
部員数
総部員数は約100名(3年生約32名、2年生約34名、1年生約34名)で構成されている。
カテゴリー構成・活動実態:
- Aチーム(トップチーム):高円宮杯福岡県リーグ1部、全国高校総体、全国高校サッカー選手権に参戦
- Bチーム:高円宮杯福岡県リーグ2部/3部に参戦
- Cチーム:福岡地区リーグおよび各種交流戦に参戦
- U-16(1年生チーム):球蹴男児U-16リーグ(D1/挑男)およびU-16ルーキーフェスティバルに参戦
部員の主な出身チームとしては、アビスパ福岡U-15、サガン鳥栖U-15、ギラヴァンツ北九州U-15、サガン鳥栖U-15唐津、大分トリニータU-15などのJリーグ下部組織をはじめ、ルーヴェン福岡、油山カメリアFC、FCグローバル、BUDDY FC、CAグランロッサ、小倉南FCなど福岡県内および九州全域の強豪タウンクラブ、中学校サッカー部から高い技術と向上心を持った選手が集い、高い競争意識の中でプレーしている。
練習環境については、福岡大学構内にある国際規格の人工芝サッカー場(福岡大学サッカー場)を主要練習拠点の一つとして活用している。また、学校キャンパス内のグラウンド、最新のトレーニング室、福岡フットボールセンター(FFC)、西公園ランニングコース等も公式の活動施設として利用されており、平日は放課後約2〜3時間、休日は公式戦や大学サッカー部・強豪校との実戦練習を実施。大学施設と連動した恵まれた環境下でトレーニングを重ねている。
ユニフォーム
ユニフォームサプライヤーはMIZUNO(ミズノ)を採用している。ファーストユニフォーム(HOME)は、福岡大学のシンボルカラーでもある伝統の「エンジ(臙脂色)」を基調とし、シャツがエンジ色、パンツがエンジ色、ソックスがエンジ色の全身エンジで統一された気品あるデザインとなっている。セカンドユニフォーム(AWAY)は、清潔感のある「白」を基調とし、シャツが白色、パンツが白色、ソックスが白色のセットアップを採用している。ゴールキーパー(GK)ユニフォームはフィールドプレイヤーと識別しやすい緑色や黄色、黒色などのカラーが用いられている。
また、ユニフォームおよびチーム活動のサポートとして、富士自動車アウディ事業部をはじめとするパートナー企業や地元支援企業、株式会社グリーンカードなどがスポンサーシップやオフィシャルサポートを行い、部活動の先進的な運営体制を支えている。
寮・生活環境
福岡大学附属若葉高校には、学校敷地内に直営の寄宿舎である「開成寮」が設置されているが、こちらは女子生徒専用の寮となっている。そのため、男子サッカー部員を対象とした学校直営の男子寮は設けられていない。
福岡県外や遠方から親元を離れて入部する男子選手に対しては、学校やクラブが案内・提携する近隣の指定下宿や民間学生寮などを生活拠点とする受け入れ態勢が整えられている。
男子部員が利用する指定下宿や提携施設等の寮費・生活費に関しては、入居する物件や食事提供形態等の契約条件によって異なるため、公式には一律の金額は非公開となっており、個別の案内に基づいて運用されている。
遠方から集まった選手たちは、規則正しい集団生活を通じて自己管理能力や自立心を養い、学業とハイレベルなトレーニングを両立させる充実した生活リズムを確立している。
入学・入部案内
セレクション・練習会は、例年夏期(7月〜8月頃)を中心に中学生(主に中学3年生)を対象とした部活動体験会・練習見学会が開催される。参加形態はオープン制の体験会に加え、所属チーム指導者を通じた推薦・スカウトによる個別案内などが行われている。
入学後の入部資格に関しては、一般入試で合格した生徒であっても入部を希望することは制度上可能であるが、福岡県トップクラスの強度と高い戦術理解が求められるため、強い覚悟と高い志が前提となる。
偏差値および設置コースは以下の通りである。
- スーパー特進コース:偏差値目安 58〜60(国公立・難関私立大学現役合格を目指す最上位進学コース)
- グローバルコース:偏差値目安 52〜54(国際理解・英語教育を重視したコース)
- 高大一貫コース:偏差値目安 49〜51(福岡大学への内部進学と探究学習を両立するコース)
推薦入試の有無について、専願入試および前期入試等において部活動実績や学業成績を評価する推薦選考・奨学制度が設けられており、スポーツ分野で顕著な実績を有する生徒を対象とした選抜枠組みが運用されている。
※これらの情報は年度・情勢により変動するため、あくまで参考情報となります。最新かつ正確な情報は必ず学校・クラブ公式HPをご確認いただくか、直接お問い合わせください。
チーム強化・指導方針
福岡大学附属若葉高校サッカー部の指導方針の根底にあるのは、福岡大学サッカー部との連携による「高大一貫」の育成システムと、ボールを支配しながら主導権を握る「攻撃的ポゼッションサッカー」である。個々の高いボールコントロール技術と状況判断力をベースに、ピッチ全体を広く使った正確なパスワークとポジショナルプレーを徹底して磨き上げている。
単にボールを保持するだけでなく、守備から攻撃への素早い切り替え(トランジション)や、前線からの連動したプレスによるボール奪還を重視。杉山公一監督の緻密な戦術眼のもと、相手の出方に応じて柔軟に戦い方を変化させられる高いインテリジェンスの習得を選手たちに求めている。
育成面においては、高校3年間で終わる選手ではなく、福岡大学をはじめとする強豪大学や将来のJリーグ、世界基準のステージで活躍できるフットボーラーの育成に注力。日常的に福岡大学サッカー部のトップ選手たちと合同練習や練習試合を行うことで、フィジカルコンタクトの強度や判断スピードを大学基準・プロ基準に引き上げる独自の強化サイクルが確立されている。
主なプロ選手一覧
※福岡大学附属若葉高等学校男子サッカー部は2019年4月に創部された新興チームであり、2026年時点において高校から直接Jリーグ・プロクラブへ加入した選手、および大学経由でトップチームとプロ契約を結んだ男子サッカー部OB選手は公式に確認されていない。現在は多くの卒業生が系列の福岡大学サッカー部をはじめとする全国の大学強豪校に進学して主力として活躍しており、近い将来における初のJリーガー誕生に大きな期待が寄せられている。

























