来季から新設されるJリーグ3部(J3)への入会を目指す日本フットボールリーグ(JFL)のAC長野パルセイロが来春、長野市立長野高校と提携してユースチーム(高校生年代)を発足させることが22日、分かった。AC長野と学校側はユースのレベルアップにつながると期待を寄せている。AC長野と同校が24日に記者会見を行い詳細を発表する。
関係者によると、同校サッカー部の1年生部員を対象にAC長野ユースの選手として登録し、AC長野が指導者を派遣して同校の指導者と共に指導する内容。日常の練習は一般のサッカー部員と共に部活動の中で行う。Jリーグでは、J1のサンフレッチェ広島やJ2のガンバ大阪などで、提携した高校にユース選手が入学し、学校教育とクラブでの活動の両立を図っている例がある。
AC長野は2005年に発足したジュニアユース(中学生年代)が活動中。Jリーグのクラブライセンス制度では、J3からJ2に昇格する際にはユースも含めた育成組織の整備を義務付けており、15年シーズンからのJ2参戦を目指すAC長野はユース設立を準備してきた。
市立長野高校との提携を、AC長野は北信地域の高校生年代の競技レベルアップにもつなげたい考えだ。女子校の市立皐月高校が08年に共学化して発足した市立長野高校は、共学化を機にサッカー部を新設して強化している。AC長野と提携することで、指導環境を充実させる狙いがある。
市立長野高校の河面(こうも)清校長は取材に「パルセイロとの提携で高校にいい選手が集まるという期待がある」と話す。ユースチームで練習して力を付けた選手も2年生からは部活動に加わるため、「サッカー部のレベルアップにもつながる」と前向きに受け止めている。
AC長野ユースは、同校以外の高校に通う選手にも門戸を開き、別の練習機会を設ける方針だ。公式戦には同校との提携チームと合流して出場する。AC長野は「地域全体の育成環境を充実させることがクラブの存在意義。市立長野高校と提携することでより効果的に学業とサッカーが両立できると考えている」としている。
【信濃毎日新聞】