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小嶺忠敏(国見高校)高校サッカー名将列伝

小嶺忠敏_国見

小嶺忠敏(国見高校)高校サッカー名将列伝

1. 監督総評

丸刈り頭と強靭なフィジカル、圧倒的な走力と献身性をトレードマークに、九州の公立校・国見を全国最強の絶対王者へと押し上げた高校サッカー界の巨星。

指導の根本は「サッカーを通じた人間形成と生活習慣の徹底」にある。自らマイクロバスを運転して全国津々浦々の強豪校と遠征を重ね、朝夕の厳しい反復練習と徹底した規律で選手を鍛え上げた。ピッチ外での礼儀や清掃、食事管理まで徹底させ、泥臭く身体を張り最後まで走り抜く「闘う集団」を創り上げるスタイルは、当時の高校サッカー界に絶大な衝撃を与えた。

島原商業で1977年のインターハイを制して長崎県勢初の全国タイトルをもたらすと、新設の国見高校赴任後は選手権優勝6回(戦後最多タイ)・準優勝4回、インターハイ優勝5回、全日本ユース2連覇と全国タイトルを総なめにした。高木琢也、三浦淳宏、大久保嘉人、徳永悠平、平山相太、兵藤慎剛など多くの日本代表・Jリーガーを輩出。晩年は長崎総大附を全国8強へ導くなど、生涯を現場に捧げ2022年に第18回日本サッカー殿堂入りを果たした。

2. 基本情報

  • 氏名:小嶺 忠敏(コミネ タダトシ)
  • 生年月日:1945年6月24日生まれ(2022年1月7日逝去)
  • 現所属:元・長崎総合科学大学附属高等学校 サッカー部 監督、元・長崎県立国見高等学校 サッカー部 監督・校長(2022年 第18回日本サッカー殿堂掲額)

3. 指導歴

  • 1968年 – 1983年:長崎県立島原商業高等学校 サッカー部 監督(商業科教諭)
  • 1984年 – 2006年:長崎県立国見高等学校 サッカー部 監督(教頭・校長を歴任)
  • 1993年:U-17日本代表 監督(1993 FIFA U-17世界選手権 ベスト8進出)
  • 2007年 – 2010年:V・ファーレン長崎 社長 兼 総監督
  • 2011年 – 2022年1月:長崎総合科学大学 特任教授 兼 長崎総合科学大学附属高等学校 サッカー部 監督(総監督)

4. 指導者戦績

■ 全国高校サッカー選手権(出場31回 優勝:6回 準優勝:4回 ベスト4:3回 ベスト8:3回)

年度 高校名 大会名(出場回数) 成績・結果 備考
1968年〜1973年島原商業高校第47回〜第52回全国高校サッカー選手権長崎県予選敗退指導開始期
1974年島原商業高校第53回全国高校サッカー選手権(初出場)1回戦敗退島原商・選手権全国初出場
1975年島原商業高校第54回全国高校サッカー選手権(2年連続2回目)2回戦敗退
1976年島原商業高校第55回全国高校サッカー選手権(3年連続3回目)2回戦敗退
1977年島原商業高校第56回全国高校サッカー選手権(4年連続4回目)ベスト4(3位)初の全国4強進出
1978年島原商業高校第57回全国高校サッカー選手権長崎県予選敗退
1979年島原商業高校第58回全国高校サッカー選手権長崎県予選敗退
1980年島原商業高校第59回全国高校サッカー選手権(3年ぶり5回目)2回戦敗退
1981年島原商業高校第60回全国高校サッカー選手権長崎県予選敗退
1982年島原商業高校第61回全国高校サッカー選手権(2年ぶり6回目)2回戦敗退
1983年島原商業高校第62回全国高校サッカー選手権(2年連続7回目)ベスト8(高木琢也)
1984年国見高校第63回全国高校サッカー選手権長崎県予選決勝敗退国見高校監督就任初年度
1985年国見高校第64回全国高校サッカー選手権長崎県予選決勝敗退
1986年国見高校第65回全国高校サッカー選手権(初出場)準優勝国見初出場で決勝進出(二見一幸)
1987年国見高校第66回全国高校サッカー選手権(2年連続2回目)優勝国見・選手権初制覇(二見一幸)
1988年国見高校第67回全国高校サッカー選手権(3年連続3回目)3回戦敗退
1989年国見高校第68回全国高校サッカー選手権(4年連続4回目)ベスト4(3位)(中口雅史)
1990年国見高校第69回全国高校サッカー選手権(5年連続5回目)優勝2度目の選手権優勝(中口雅史、内田利広)
1991年国見高校第70回全国高校サッカー選手権(6年連続6回目)ベスト8(三浦淳宏、永井秀樹)
1992年国見高校第71回全国高校サッカー選手権(7年連続7回目)優勝3度目の選手権優勝(三浦淳宏、船越優蔵)
1993年国見高校第72回全国高校サッカー選手権(8年連続8回目)準優勝(三浦淳宏)
1994年国見高校第73回全国高校サッカー選手権(9年連続9回目)2回戦敗退(船越優蔵)
1995年国見高校第74回全国高校サッカー選手権(10年連続10回目)3回戦敗退
1996年国見高校第75回全国高校サッカー選手権(11年連続11回目)ベスト8
1997年国見高校第76回全国高校サッカー選手権(12年連続12回目)3回戦敗退
1998年国見高校第77回全国高校サッカー選手権(13年連続13回目)3回戦敗退(大久保嘉人)
1999年国見高校第78回全国高校サッカー選手権長崎県予選決勝敗退諫早高校が出場
2000年国見高校第79回全国高校サッカー選手権(2年ぶり14回目)優勝4度目の選手権優勝(大久保嘉人、徳重健太)
2001年国見高校第80回全国高校サッカー選手権(2年連続15回目)優勝5度目の優勝・2連覇(徳重健太、徳永悠平)
2002年国見高校第81回全国高校サッカー選手権(3年連続16回目)準優勝(平山相太、徳永悠平、兵藤慎剛)
2003年国見高校第82回全国高校サッカー選手権(4年連続17回目)優勝6度目の優勝(平山相太、兵藤慎剛)
2004年国見高校第83回全国高校サッカー選手権(5年連続18回目)準優勝(渡邉大剛)
2005年国見高校第84回全国高校サッカー選手権(6年連続19回目)2回戦敗退(城後寿)
2006年国見高校第85回全国高校サッカー選手権長崎県予選敗退国見高校監督退任
2011年長崎総科大附第90回全国高校サッカー選手権長崎県予選敗退長崎総大附指導開始
2012年長崎総科大附第91回全国高校サッカー選手権(初出場)2回戦敗退同校選手権全国初出場
2013年長崎総科大附第92回全国高校サッカー選手権(2年連続2回目)1回戦敗退
2014年長崎総科大附第93回全国高校サッカー選手権長崎県予選準決勝敗退
2015年長崎総科大附第94回全国高校サッカー選手権長崎県予選決勝敗退(安藤瑞季)
2016年長崎総科大附第95回全国高校サッカー選手権(3年ぶり3回目)2回戦敗退(安藤瑞季)
2017年長崎総科大附第96回全国高校サッカー選手権(2年連続4回目)ベスト8同校初の全国8強進出(安藤瑞季)
2018年長崎総科大附第97回全国高校サッカー選手権(3年連続5回目)2回戦敗退(鈴木冬一)
2019年長崎総科大附第98回全国高校サッカー選手権(4年連続6回目)1回戦敗退
2020年長崎総科大附第99回全国高校サッカー選手権長崎県予選決勝敗退創成館高校が出場
2021年長崎総科大附第100回全国高校サッカー選手権(2年ぶり7回目)3回戦敗退小嶺監督最後の選手権指揮

■ 全国高校総体(インターハイ)(出場33回 優勝:6回 準優勝:3回 ベスト4:3回 ベスト8:5回)

年度 高校名 大会名(出場回数) 成績・結果 備考
1974年島原商業高校昭和49年度全国高校総体(初出場)ベスト8総体初出場・8強
1975年島原商業高校昭和50年度全国高校総体(2年連続2回目)ベスト8
1976年島原商業高校昭和51年度全国高校総体(3年連続3回目)2回戦敗退
1977年島原商業高校昭和52年度全国高校総体(4年連続4回目)優勝島原商・長崎県勢初の全国総体制覇
1978年〜1983年島原商業高校昭和53年度〜58年度全国高校総体全国大会出場・予選(各年度出場)
1986年国見高校昭和61年度全国高校総体(初出場)優勝国見・総体初出場初優勝
1987年国見高校昭和62年度全国高校総体(2年連続2回目)準優勝(二見一幸)
1988年国見高校昭和63年度全国高校総体(3年連続3回目)ベスト8
1989年国見高校平成元年度全国高校総体(4年連続4回目)ベスト8
1990年国見高校平成2年度全国高校総体(5年連続5回目)3回戦敗退(中口雅史)
1991年国見高校平成3年度全国高校総体(6年連続6回目)ベスト8(三浦淳宏)
1992年国見高校平成4年度全国高校総体(7年連続7回目)2回戦敗退(三浦淳宏)
1993年国見高校平成5年度全国高校総体(8年連続8回目)優勝2度目の総体優勝(三浦淳宏)
1994年国見高校平成6年度全国高校総体(9年連続9回目)ベスト4(3位)(船越優蔵)
1995年国見高校平成7年度全国高校総体(10年連続10回目)3回戦敗退
1996年国見高校平成8年度全国高校総体(11年連続11回目)3回戦敗退
1997年国見高校平成9年度全国高校総体(12年連続12回目)3回戦敗退
1998年国見高校平成10年度全国高校総体(13年連続13回目)3回戦敗退(大久保嘉人)
1999年国見高校平成11年度全国高校総体(14年連続14回目)2回戦敗退(大久保嘉人)
2000年国見高校平成12年度全国高校総体(15年連続15回目)優勝3度目の総体優勝(大久保嘉人)
2001年国見高校平成13年度全国高校総体(16年連続16回目)3回戦敗退(徳永悠平)
2002年国見高校平成14年度全国高校総体(17年連続17回目)準優勝(平山相太、兵藤慎剛)
2003年国見高校平成15年度全国高校総体(18年連続18回目)優勝4度目の総体優勝(平山相太、兵藤慎剛)
2004年国見高校平成16年度全国高校総体(19年連続19回目)優勝5度目の優勝・2連覇(渡邉大剛)
2005年国見高校平成17年度全国高校総体(20年連続20回目)3回戦敗退(城後寿)
2006年国見高校平成18年度全国高校総体(21年連続21回目)2回戦敗退国見高校最終年
2013年長崎総科大附平成25年度全国高校総体(初出場)1回戦敗退長崎総大附総体初出場
2015年長崎総科大附平成27年度全国高校総体(2年ぶり2回目)2回戦敗退(安藤瑞季)
2017年長崎総科大附平成29年度全国高校総体(2年ぶり3回目)ベスト8(安藤瑞季)
2018年長崎総科大附平成30年度全国高校総体(2年連続4回目)1回戦敗退(鈴木冬一)
2021年長崎総科大附令和3年度全国高校総体(3年ぶり5回目)2回戦敗退小嶺監督最後の総体指揮

■ 高円宮杯 JFA U-18 / 全日本ユース(全日本ユース優勝:2回 準優勝:2回 ベスト4:2回)

年度 高校名 大会名(出場回数) 成績・結果 備考
1989年国見高校第0回(プレ)全日本ユース選手権(初出場)準優勝決勝で清水市商に敗退
1990年国見高校第1回全日本ユース選手権(初出場)ベスト4(3位)(中口雅史)
1991年国見高校第2回全日本ユース選手権(2年連続2回目)準優勝決勝で徳島市立に敗退(三浦淳宏)
1992年国見高校第3回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
1993年国見高校第4回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
1994年国見高校第5回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
1995年国見高校第6回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
1996年国見高校第7回全日本ユース選手権(5年ぶり3回目)ベスト4(3位)全国4強進出
1997年国見高校第8回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
1998年国見高校第9回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
1999年国見高校第10回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
2000年国見高校第11回全日本ユース選手権九州地区予選敗退
2001年国見高校第12回全日本ユース選手権(5年ぶり4回目)優勝全日本ユース全国初制覇(徳重健太)
2002年国見高校第13回全日本ユース選手権(2年連続5回目)優勝全日本ユース2連覇達成(平山相太、兵藤慎剛)
2003年国見高校高円宮杯 プリンスリーグ九州優勝全日本ユース出場(ベスト8)
2004年国見高校高円宮杯 プリンスリーグ九州2位全日本ユース出場(ベスト8)
2005年国見高校高円宮杯 プリンスリーグ九州3位
2006年国見高校高円宮杯 プリンスリーグ九州4位国見退任
2011年〜2021年長崎総科大附高円宮杯 プリンスリーグ九州 / 県1部参戦・上位定着2016年プリンス九州優勝・プレミア参入戦進出

5. 選手経歴

(1) 出身チーム

  • 2種(高校・ユース):長崎県立島原商業高等学校 サッカー部
  • 3種(中学・ジュニアユース):有家町立有家中学校 サッカー部
  • 4種(小学・ジュニア・少年団):有家町立有家小学校

(2) 卒業後の進路

  • 大学:1964年 – 1968年 大阪商業大学 経済学部(サッカー部)
  • プロ:なし(大学卒業後、1968年に母校の島原商業高校へ商業科教諭として赴任)
  • 日本代表:該当なし

(3) 選手時代の総評

長崎県島原半島の有家町で生まれ育ち、中学時代から本格的にサッカーを開始。地元の名門・島原商業高校へ進学後はフォワードとしてチームの主力を担い、主将として強いリーダーシップを発揮してチームを牽引した。

大阪商業大学経済学部に進学後も蹴球部でFWとしてプレーを継続。激しい上下関係と関西学生サッカーリーグの厳しい競争の中で、泥臭くゴールへ向かうタフなメンタリティと勝負勘を磨いた。プロリーグ発足前の時代であり、大学卒業後は選手として実業団へ進む道ではなく教職を選び、母校・島原商業高校へ商業科教員として赴任した。

自らの現役時代に培った反骨心と「走ること、戦うこと」への強烈なこだわりが、その後の指導哲学の確固たる土台となった。自らもピッチに立ち、選手とともに走り、声を枯らしてボールを追う泥臭く情熱的な指導スタイルは、全国の無名選手たちをたくましく鍛え上げ、日本一へと導く不屈の原点となった。