目次
青森山田高校について
場所・学校の創立について
青森県青森市青葉三丁目に所在する中高一貫の私立中学校・高等学校である。学校設立は大正7年(1918年)と歴史があり、 創立者山田のきみが青森県青森市新町の自宅で裁縫塾を開いたのが始まりで、1962年、法人名を学校法人山田学園から学校法人青森山田学園と改称。山田高等学校を青森山田高等学校に改称した。1989年(平成元年)には高等学校の普通科に特進、教養、体育コースを設ける。これがきっかり各種スポーツに強化に乗り出すこととなった。
多くの有名スポーツ選手を輩出
多くのスポーツに強化を入れていため、卓球の福原愛、水谷隼、バトミントンのフクヒロペアの福島由紀、フィギュアスケートの本田真凜など多くの有名なスポーツ選手を輩出している。
サッカー部について
全国制覇5回、50名近くのJリーガーを輩出
サッカー部の創部は1970年である。青森県内では当時は紫のユニホームで全国で活躍した五戸の全盛期であった。1989年にとんねるずのバライティ番組でも活躍した元日本代表GKの田口光久監督が就任し、サッカー部の強化が始まり、平成3年に高校総体、高校選手権に初出場を決めた。
現在の監督である黒田剛監督が就任した1995年には2年目の出場、1997年以降は毎年選手権出場を決めている。2000年には、高校総体、高校選手権でベスト4に進出、青森県で初めて国立競技場でプレーしたチームとなった。2005年には高校総体で初優勝、2009年には柴崎岳を擁し、選手権で準優勝し、2011年から始まったプレミアリーグでは、1度も降格することもなく、Jユースと互角以上に戦い、2017年にはイースト優勝、プレミアチャンピオンシップに勝利し、高校世代日本一を達成した。勢いに乗って2016年の選手権でついに初優勝を果たし、2年後2018年の選手権で2度目の優勝を果たし、今黄金時代を迎えている。
プレミアリーグと選手権の二冠達成
2015年の選手権はベスト4に進出。準決勝では國學院久我山に対して試合を有利に進めていたが、後半ATの失点で涙を飲んだ。翌2016年は、主力の半数が残り、プレミアイーストではFC東京U-18との最終戦に勝利し、イースト初優勝、チャンピオンシップではサンフレッチェ広島ユースにPK戦で勝利し、初の高校世代日本一に輝いた。高校選手権でも危なげない戦いで決勝に進出。決勝では前橋育英に5-0で快勝し初の選手権優勝を勝ち取った。
プレミアリーグイースト開設時から降格経験のない唯一の高校
2011年のプレミアリーグ開設時から降格したことがないのは青森山田と清水エスパルスユースの2チームのみであり、高体連では唯一である。前線からの連動した守備からのカウンターでJユース勢とも互角以上の戦いを続けている。
青森県内で現在公式戦359連勝記録更新中
青森県内では敵なしの状態で2000年から県内では負けなし(最後に負けたのは平成11年(1999年)の新人戦決勝で敗れて以来)の連勝を続け現在2019年の選手権決勝で勝利し、359連勝中で、19年に渡り、強いチームを維持し続けている。
青森山田高校の主な成績
プレミアリーグ
19年プレミアリーグEAST優勝、ファイナル優勝
18年プレミアリーグEAST2位
17年プレミアリーグEAST3位
16年プレミアリーグEAST優勝、チャンピオンシップ優勝
15年プレミアリーグEAST2位
14年プレミアリーグEAST7位
13年プレミアリーグEAST6位
12年プレミアリーグEAST4位
11年プレミアリーグEAST6位
10年プリンスリーグ東北1部優勝
全国高校サッカー選手権
出場25回
優勝2回(2016年、2018年)
準優勝2回(2009年、2019年)
4強2回(2000、2015年)
高校総体(インターハイ)
出場23回
優勝1回(2005年)
4強3回(2000年、2014年、2016年)
監督・コーチ
2019年の青森山田は、トップチームがプレミア優勝、セカンドチームがプリンス東北優勝、サードチームが青森県1部リーグ2位、フォースチームが同2部で優勝するなど各カテゴリーで結果を残しているのは、S級ライセンスを持つ黒田監督を中心に充実したスタッフが指導にあたっている。
監 督 黒田 剛 (JFA 公認S級ライセンス)
コーチ 正木 昌宣 (JFA 公認C級ライセンス)
コーチ 千葉 貴仁 (JFA 公認C級ライセンス)
コーチ(中学監督)上田 大貴 (JFA 公認A級ライセンス)
コーチ 木村 和実 (JFA 公認B級ライセンス)
コーチ 成田 鷹晃 (JFA 公認A級ライセンス)
コーチ 曽我 将也 (JFA 公認C級ライセンス)
コーチ 松本 晃 (JFA 公認C級ライセンス)
コーチ 寺田 耕造 (JFA 公認C級ライセンス)
コーチ 中村 祥旗 (JFA 公認C級ライセンス)
GKコーチ 古川 大海 (JFA 公認C級ライセンス/GKC級ライセンス)
チームドクター 小松 尚 (青森厚生病院 整形外科部長)
チームトレーナー 若松 佑弥 (y`sパーク青森センター店)
黒田剛
青森山田と言えば、黒田剛監督の存在抜きに語れない。黒田監督は登別大谷高校(現在は北海道大谷室蘭)、大阪体育大学卒業後、北海道のホテル勤務、母校の高校のコーチを経て、1994年に青森山田の職員として採用され、同校サッカー部のコーチに就任。すると翌年25歳の若さで監督に就任、チームをいきなり選手権出場へ導く。就任当時の部員は18人でコート一面も取れない練習環境であった。その翌年光星学院に敗れて選手権出場を逃すが、その翌年以降は選手権の連続出場記録を更新している。
学校側もサッカーに強化を図る方針であったため、県外選手のスカウトとブラジル人留学生を受け入れ、確実にチーム力を上げていった。極度の負けず嫌いと勉強家であり、自ら他の強豪校の監督の話を聞いてよいと感じたものは積極的に取り入れている。2006年にはJリーグ、日本代表の監督になれるS級ライセンスを取得している。2016年は日本高校選抜チームの監督を歴任。高校サッカー界を代表する名将である。
選手権ではロッカールームを積極的に開放し、選手たちに熱い言葉をかけるモチベーターである。
組織マネジメント力も優れており、グラウンド・クラブハウス・寮の整備から、コーチングスタッフ陣の充実、中等部からの一貫指導と様々な体制を整えた結果、継続した強化が実現され、サッカー部の監督と共に青森山田中学校の副校長として学校経営に手腕を奮う。
正木昌宣
青森山田のヘッドコーチで黒田監督不在時はトップチームの監督を務める。青森山田のOBで、1年生の時から3年連続でレギュラーとして試合に出場し、3年時は主将を務め、快速FWとして活躍した。卒業後は仙台大学へ進み、全日本大学選抜にも選出された。卒業後は、青森山田で保健体育の教諭として赴任。サッカー部のコーチに就任。Aチームのチームバスを運転する。
千葉貴仁
青森山田のコーチ、母校出身で、2年時からセンターバックとして活躍。世代別代表や日本高校選抜には選ばれる経歴を持つ。卒業後はJリーガーとしてセレッソ大阪、コンサドーレ札幌、2010年に青森山田のコーチに就任。
チームについて
中盤にパスセンスと攻撃センスを兼ね備えた選手を配置
中盤に、技術的に優れリーダーシップのある選手を置いている。日本代表でワールドカップにも出場した柴崎岳や差波優人、J2千葉の高橋壱晟、ヴィッセル神戸の郷家友太、コンサドーレ札幌の檀崎竜孔、浦和レッズ内定の武田英寿などを多くの選手を輩出している。
全員が連動した組織的なサッカー
プレミアリーグに参入後、各上のJユース勢と戦うために前線から最終ラインまで連動した守備を展開。2013年までは4-4-2がメインだったが、2014年はサンフレッチェ広島を参考に3バックを取り入れており、その年の選手の特徴に合わせた戦術を採用している。ここ数年は4-1-4-1、もしくは4-2-3-1を採用している。
プレミアリーグ当初残留を目標にしていたチームが上位進出するようになったのは、全員が共通の認識を持って攻守の切り替えの速さを継続させたのも大きい。ボール奪取後は相手の空いたスペースにボールを運び、守備陣形が整う前にゴールを陥れる。
デュエルでの圧倒的な強さ
青森山田の強さの秘訣は、デュエルでの勝率である。メンタルの強さに加え、1対1でのボールの奪い合い、球際での争いに圧倒的な強さを見せている。普段からの筋力トレーニングには加え、冬に行われる雪上でのトレーニングの成果の賜物である。
セットプレーでの得点率の高さ
青森山田の大きな得点源はセットプレーであり、チームの得点の6割以上を占める。コーナーキック、フリーキックでは直接合わせるパターンとロングスローでは競り合ったこぼれ球をしっかと狙い、技術に優れるJユース勢を戦意消失されている。
元祖、ロングスロー
青森山田の代名詞と言えばロングスローではある。セットプレーでは長身の選手をゴール前に集め、競り合ったこぼれ球から得点を挙げており、高校サッカーでは多くのチームが取り入れるきっかけを作ったと言われている。
強いチームを継続し続ける独自の育成システム
ピラミッド型の組織、1,2年生が高いレベルの経験を積める
青森山田では、トップチームがプレミアいースト、セカンドチームがプリンス東北、サードチームが青森県1部、フォースチームが同2部に所属しており、特にレギュラーに届かないが有力な1,2年生選手が東北の強豪チームが集まるプリンスリーグ東北で、ベガルタ仙台やモンテディオ山形などのJユース勢と公式戦で真剣勝負ができるのが大きな経験となっている。そのため、新チーム始動時も他チームに比べると強化が進んでいる。
青森山田中学の強化
青森山田中学も早い段階から強化が進んでいる。全国で実績を上げることで、高校には県外からたくさんの選手が集まってきたが、より強いチームを継続して作るためには地元青森県の選手を6年計画で育成することを目的にしていた。全国中学校サッカー選手権大会では5度の優勝、特に2014年から2017年は4連覇を達成している。2018年、2019年も準優勝と結果を残している。
約120名いる部員の6割以上が寮生活を送っている。中学の優勝で地元の選手だけではなく、サッカーに専門できる環境を求め全国各地から選手が集まっている。同じグラウンドで練習、高校との練習試合も行われ、高校生のプレーがお手本となっている。現在日本代表で活躍する鹿島アントラーズの柴崎岳も中学出身者である。
ユニフォーム
青森山田のユニフォームは、2015年よりbonera社を使用している。その前はNike、Mizuno、黒田監督就任当初はAsics制も利用していた。
2020年のユニフォーム
サッカー部員
部員数
185名(3年:49名 2年:65名 1年:71名)と大所帯であり、併設中学校と合わせると300名を超える組織となる。
所属リーグ
公式戦には4チームで各種リーグ戦に所属しており、部員が多い中でも経験が積める環境である。
2019年の青森山田は、各カテゴリーで結果を残した。
トップチーム:プレミアファイル優勝
セカンドチーム:プリンスリーグ東北優勝、
サードチーム:青森県1部リーグ2位
フォースチーム:青森県2部リーグ2部優勝
3種(中学)チーム
併設の中学からの昇格生に加え、全国各地から優秀な選手が集まってくる。Jリーグのジュニアユースでユースに昇格できなかった選手や強豪街クラブの選手が入部している。
青森の過酷な環境を克服
選手寮と人工芝1面のグラウンドがあり、プレミアリーグの会場として使われ環境には恵まれている。しかし、冬は雪が1m積り、グラウンドが覆われるため、体育館での技術トレーニングや雪かき後のグラウンドでのフィジカル中心の練習を行っている。そのため、12月から3月までは、雪の地域での遠征や練習で厳しい環境を克服している。戦術練習は春のフェスティバルから始まるため、プレミアリーグ序盤は調整不足のため、下位に低迷するが、後半戦で巻き返し見事に残留を決めている。
また、大会やリーグ戦のアウェーでは、基本的にはバスで移動しているため、長時間移動となり、他のチームと比べコンディショニングの難しさもある。
寮生活・マナーの良さ
サッカー部の選手は寮生活の選手が多い。中学からの選手は6年間、高校からは3年間寮での集団生活を経験するため自立した選手が多い。黒田監督はサッカー以上に礼儀・挨拶を重んじており、毎年参加する春のサニックス杯では、毎年グッドマナー賞を受賞してる。
入部するには
青森山田高校サッカー部には入学試験に合格すれば希望すれば基本的に全員が入部できます。サッカー特待生での希望の場合、セレクションに受けて合格する必要があります。
セレクション
2020年度入学希望のセレクションは2019年の8月に2日間午後に実施されました。2日目の午前中には高校体験入学が開催されます。青森山田高校HPより『参加申込書』ダウンロードし、必要事項を記入して、郵送・FAX・MAILのいずれかで申し込み。もちろんセレクション不合格でも入部は可能です。
青森山田高校の偏差値
青森山田高校では生徒一人ひとりの希望を叶えるため、個性や目的に合わせて選べる科・コースを設置しています。
・普通科特進コース(56)/ 普通科吹奏楽コース(42)/ 普通科美術コース(42)/ 普通科演劇コース(42)/ 普通科キャリアアップコース(39)/ 普通科スポーツコース(39)/ 情報処理科(36)/ 自動車科(36)/ 調理科(36)
チーム情報
住所 | 〒030-8520 青森市青葉3丁目13番地40 | |
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監督 | 黒田剛 | |
所属リーグ | プレミアリーグイースト | |
サイトURL | http://footballnavi.jp/aomori_yamada/ |
OB(Jリーガー)
名前 卒 Pos 入団クラブ 現所属または主な経歴
佐々木仁 1991 GK フジタ ラインメール青森 GKコーチ
佐藤智 1992 DF 浦和レッズ
塚尾泰成 1992 MF 浦和レッズ
河端和哉 1999 DF コンサドーレ札幌 札幌大学サッカー部 監督
ジュニーニョ 2001 MF 清水エスパルス
ヘジーニョ 2002 MF ザスパ草津
千葉貴仁 2002 DF セレッソ大阪 青森山田高校サッカー部 コーチ
尾崎祐司 2002 MF コンサドーレ札幌
大河内英樹 2003 MF ベガルタ仙台
三澤純一 2003 MF ベガルタ仙台
盛礼良レオナルド 2004 FW 東京ヴェルディ1969 FCマルヤス岡崎
那須川将大 2004 DF 東京ヴェルディ 藤枝MYFC
橋本和 2004 DF 柏レイソル ヴィッセル神戸
小寺優輝 2004 MF ファジアーノ岡山FC
川邊裕紀 2005 DF FC町田ゼルビア
櫛引祐輔 2005 MF SAGAWA SHIGA FC
松本怜 2005 MF 横浜F・マリノス 大分トリニータ
小澤竜己 2005 FW FC東京 JPVマリキナFC
伊東俊 2005 MF モンテディオ山形 ロアッソ熊本
ロメロ・フランク 2006 MF 水戸ホーリーホック アルビレックス新潟
李澤忍治 2006 MF ソニー仙台FC
川西翔太 2006 FW ガンバ大阪 FC岐阜
三浦修 2007 DF ガイナーレ鳥取 アルテリーヴォ和歌山
岩崎晃也 2007 MF 佐川印刷
藤本憲明 2007 FW 佐川印刷 ヴィッセル神戸
大津一貴 2007 FW T.F.S.C. FCウランバートル
菅原渉 2008 DF ツエーゲン金沢
椎名伸志 2009 MF 松本山雅FC カターレ富山
野間涼太 2009 MF FKルダル・プリェヴリャ FKラドニチュキ・ニシュ
柴崎岳 2010 MF 鹿島アントラーズ デポルティーボ・ラ・コルーニャ
三田尚希 2010 MF ラインメール青森 AC長野パルセイロ
橘一輝 2010 MF ガイナーレ鳥取
櫛引政敏 2010 GK 清水エスパルス モンテディオ山形
差波優人 2011 MF ベガルタ仙台
舛沢樹 2011 DF ヴァンラーレ八戸 Cobaltore女川
高橋晃司 2011 MF Cobaltore女川
室屋成 2012 DF FC東京
山田将之 2012 DF FC東京 ツエーゲン金沢
池上丈二 2012 MF レノファ山口FC
丹代爽弥 2012 FW ソニー仙台FC
菅原啓祐 2012 MF ソニー仙台FC
小松崎雄太 2012 DF ラインメール青森 東京武蔵野シティFC
篠田朋宏 2012 MF FC大阪 アルテリーヴォ和歌山
野坂浩亮 2012 GK ラインメール青森
八戸雄太 2013 DF Honda FC
田中雄大 2013 GK SC相模原 ブラウブリッツ秋田
菊池流帆 2014 DF レノファ山口FC ヴィッセル神戸
松木駿之介 2014 MF ファジアーノ岡山FC
常田克人 2015 DF ベガルタ仙台
神谷優太 2015 MF 湘南ベルマーレ 柏レイソル
廣末陸 2016 GK FC東京 FC町田ゼルビア
高橋壱晟 2016 MF ジェフユナイテッド千葉
郷家友太 2017 MF ヴィッセル神戸
中村駿太 2017 FW モンテディオ山形
檀崎竜孔 2018 MF 北海道コンサドーレ札幌
三國ケネディエブス 2018 DF アビスパ福岡
武田英寿 2019 MF 浦和レッズ
古宿理久 2019 MF 横浜FC