0年前、高校サッカーの誤審で全国大会出場の明暗が分かれた2校のメンバーが、再び顔を合わせる。15日に岡山県美作市で行われる作陽―水島工のOB戦。わだかまりができた相手や仲間とけじめをつけるために集う。
2002年11月、全国高校選手権への出場をかけた岡山県大会決勝。1―1で迎えた延長前半、作陽のMF青山敏弘選手(現J1広島)のシュートは水島工ゴール奥の支柱に跳ね返されて、ゴール外へ飛び出した。しかし、主審はゴールを認めず、水島工がPK戦を制して全国への切符を手にした。
試合後、日本サッカー協会は誤審を認めた。作陽を励ます声が相次いだ一方、水島工は中傷を受けた。インターネットには批判の書き込み。全国選手権へ向かう新幹線には護衛が付き、宿泊先に掲げられるはずの学校名が書かれた看板も伏せられた。GKだった宮本寛さん(27)は、他の出場校の選手からの一言を鮮明に覚えている。「よく、大会に出てこられたな」。水島工は初戦の秋田商戦に1―3で敗れた。
【朝日新聞】