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【高校選手権】広島観音、まさかの初戦で敗退

全国高校サッカー選手権第3日は2日、埼玉スタジアムなど首都圏8会場で2回戦の16試合があり、全国高校総体ベスト4の立正大淞南(島根)が今大会第1号となる坂口のハットトリックなどで八千代(千葉)を7―1で下し、3回戦に進出した。

 他の中国勢は、観音(広島)が丸岡(福井)に1―2で敗れ、聖光(山口)と米子北(鳥取)はいずれもPK戦で敗退した。作陽(岡山)はPK戦の末、富山一を下した。

 ▽観音、残り10分…逆転許す

 試合終了のホイッスルが響き、観音イレブンはぼうぜんと立ちつくした。「追加点が入らず、風も強くて焦った」と川崎。1点リードしながら残り10分を切って逆転負け。3大会ぶりの全国挑戦は初戦で屈した。

 「決定力の差が出た」と塚川主将。放ったシュートは丸岡を上回る13本。平均身長で下回るため、こぼれ球を必死に追い続け、想定通りの形で川崎が先制点。何度も好機をつくったものの、追加点が奪えなかった。風下の後半は、ボールが押し戻されるほどの強風にリズムを崩し、攻勢に出る相手の重圧にも耐えきれなかった。

 県代表を決めてから約1カ月半。喜びに浸り、浮ついた部分は厳しい言葉を掛け合い取り去った。元日はそろって初詣。精神力を鍛え、結束も高めて臨んだ初戦だった。出木谷監督は「観音らしさはあったが、全国のレベルの高さも勉強した」と悔しさを抑えるように口にした。

 4度目の全国で初の初戦敗退。「やり切った。後輩たちに厳しさを伝えたい。その時間はまだある」。塚川主将は涙目で声を振り絞った。(山崎雄一)

 ▽聖光、滝川二にPK戦で屈す 攻撃重視、最後まで

 「何で負けたんだ」「悔しいよ」。聖光イレブンの涙が、芝生をぬらした。初出場で前々回覇者の滝川二と互角に渡り合い、PK戦の末に敗れた。

 攻撃重視―。強豪に対しても戦い方は変えなかった。前半21分、福永が相手ゴールに近い位置でボールを奪い、同点に。その後も最後まで主導権を握った。「滝川二に勝ち、僕らがヒーローになるつもりだった」。福永は惜敗を悔やんだ。

 山口県内の有望な中学生は、多くが広島ユースや福岡の高校へ進む。それでも聖光は高いレベルが必要なパスワークにこだわりを持ち、状況判断を何より重視。考えるサッカーを実践してきた。

 涙に暮れる選手を横目に、山本監督は小さくうなずいた。「山口のチームが全国で勝つ。その光は少し見えた」

【中国新聞】