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【第92回選手権静岡県予選】藤枝東が清水桜が丘が競り勝ち、5年ぶりの優勝!

第92回全国高等学校サッカー選手権大会都道府県予選

 第92回全国高校サッカー選手権大会県大会の決勝が16日、袋井市のエコパスタジアムで行われ、藤枝東が清水桜が丘を1―0で破り、5年ぶり24回目の優勝を果たした。

 決勝は今年の県総体決勝敗退の雪辱を期す藤枝東と、今年4月に清水商と庵原が統合してから初の選手権県大会決勝に進出した清水桜が丘が激突した。

 藤枝東は開始直後、ヘディングシュートでネットを揺らしたが、クロスを上げた選手がサイドラインを割っていたとして得点が認められなかった。一進一退の攻防が続き、均衡が破れたのは67分。FW桜井敬基(いつき)(3年)のパスに、相手DFの裏に抜け出したFW片井巧(同)が冷静にゴール左隅に流し込んで先制した。その後は、選手交代をせずに先発11人で守りきり、試合を締めた。

 一方、清水桜が丘は先制点を許した後、得意のサイドを使ったカウンター攻撃などで相手GKと1対1の好機を数回作るも、決定力を欠いた。清水商を過去3回、全国制覇に導いた大滝雅良監督(62)は、「うちは個人の力では相手に劣る。組織力で作った決定機をものにできず、最後まで歯車がかみ合わなかった」と試合を振り返った。

■片井・桜井コンビあうんの呼吸

 藤枝東のゴールは、コンビ歴6年目の2人のホットラインが生み出した。

 片井と桜井は中学時代、静岡市のクラブでともにプレー。トップ下の片井には、ドリブル突破で中央に持ち込んだ右ウイングの桜井との連携でゴールを狙うパターンが体に染みついていた。この日も前半、同じ形で好機を演出したが、次第に相手DFに警戒され、桜井へのパスコースを封じられた。

 だが、そんな時の対応策にも、あうんの呼吸がある。

 「俺が(相手DFの)裏に飛び出したところへ、中盤の(桜井)敬基からもらう」(片井)パターンだ。50メートル6秒1の片井の右足は、飛び出してきた相手GKより早くボールに触り、ゴールに吸い込まれた。

 片井は6月の県総体決勝を左足のけがで欠場。チームも敗れ、涙をのんだ。しかし、今大会では計4ゴールの活躍。得点王、最高殊勲選手(MVP)、ベストイレブンの3冠に輝いた。全国大会に向け、「もっと連携を深めて全国の舞台でも2人のスタイルを貫き通したい」と誓った。

■清水桜が丘を全国の舞台に

 「清水桜が丘の名前を全国に知らしめたかった」――。2年生主将、FW大石竜平は試合後、ロッカールームで唇をかんだ。大石の背番号8は、元日本代表の風間八宏氏(現・J1川崎監督)が清水商時代に、自身の名前にちなんで付けたエースナンバーだ。

 10月の公式戦後、大滝監督から突然、主将に指名された。「彼は時に自己中心的だが、チームを率いる自覚を持てばさらに戦力になる」。大滝監督の期待の表れだった。

 今大会の準々決勝、準決勝で接戦を経験するたびに「みんなが主将の俺をもり立てようとしてくれている。俺のドリブル突破を頼りにしてくれている」との思いを強くした。前主将のMF城之内統貴(3年)も「主将交代は悔しかったけど、大石に主将としての責任をプレーで示すのも、自分の今大会の目標だった」と振り返る。チームを意識する気持ちが芽生え始めた頃、決勝で、あと1点に泣いた。

 「主将として、『背番号8』として、清水桜が丘を全国の舞台に連れて行きたい」。決勝を終えた今、そう思っている。

【決勝】

 清水桜が丘0ー1藤枝東

【準決勝】

清水桜が丘3-2浜名 
藤枝東1-0常葉橘

【準々決勝】

清水桜が丘2-1聖隷
浜名4-2静岡学園 
藤枝東2-0飛龍 
常葉橘2-1袋井

【決勝トーナメント1回戦】
清水桜が丘 7ー0 島田工
浜名 3ー2 磐田東
静岡学園 3―0 日大三島
藤枝東 11ー2 富士東
飛龍 2ー1 浜松南
袋井 1ー0 浜松開誠館
常葉橘 1ー0 藤枝明誠
聖隷 2-1 静岡西

 

◆高校選手権静岡県予選

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◆引用

2013年11月17日  読売新聞