専修大学北上高校(岩手県)
岩手県北上市新穀町に所在する専修大学北上高等学校のサッカー部。全国高校サッカー選手権大会に通算4回、全国高校総体(インターハイ)に通算3回の出場実績を誇る私立の強豪校である。遠野高校や盛岡商業高校といった伝統校が覇権を握ってきた岩手県において急速に台頭し、2019年度(第98回)の選手権初出場・全国初勝利を皮切りに近年多くの全国舞台を経験。小原昭弘監督の指導のもと、プリンスリーグ東北への定着と全国上位進出を目指して進化を続けている。
目次
学校の設立と概要
専修大学北上高等学校は、1951年(昭和26年)に北上商業高等学校として創立された私立高等学校である。1961年に専修大学の付属高校となり、1963年(昭和38年)に現在の校名である「専修大学北上高等学校」へと改称された。所在地は岩手県北上市新穀町二丁目4番64号に位置している。
建学の精神に「報恩奉仕」を掲げ、普通科(ディープラーニングコース、アクティブラーニングコース)、グローカルビジネス科、自動車科を設置している。部活動が非常に盛んな文武両道の校風で、男子サッカー部をはじめ、硬式野球部、女子サッカー部、卓球部、陸上競技部、ソフトボール部などが全国大会で活躍しており、岩手県内外から高い志を持つ生徒が集まっている。
サッカー部創部の経緯
男子サッカー部は1964年(昭和39年)に創部された。創部以降、長年にわたり岩手県の高校サッカー界の頂点を目指して強化を続けてきたが、小原昭弘監督の就任以降、チームは組織力と高い個の技術を磨き上げ、急速に頭角を現した。
2019年度の第98回全国高校サッカー選手権岩手県大会を初制覇し、創部55年目にして悲願の選手権全国初出場を達成した。全国大会1回戦では龍谷(佐賀)を3-1で下して全国初勝利を記録し、2回戦でも強豪・國學院久我山(東京B)を相手に0-0の末、PK戦(5-6)までもつれ込む激闘を演じた。
その後も2021年度(第100回大会)、2024年度(第103回大会)、2025年度(第104回大会)と選手権出場を重ね、夏のインターハイでも2019年、2021年、2025年に全国出場を果たすなど、名実ともに岩手を代表するトップチームとしての地位を確立している。
現監督と指導陣
- 小原昭弘(おばらあきひろ)(在籍期間:監督)
岩手県立遠野高校出身。現役時代は名門・盛岡ゼブラなどで選手として活躍した。専大北上高校サッカー部監督に就任後、チームを初の全国高校サッカー選手権およびインターハイ出場へ導いた名将。「栄光に近道なし」「サッカーを通じて人間性を高める」という指導理念のもと、徹底した基本技術の習得と戦術的柔軟性を植え付け、チームを岩手県屈指の強豪へと育て上げた。
このほか、部を支えるコーチ陣やトレーナーが配置され、選手一人ひとりの技術・戦術・フィジカル・コンディショニングを支える充実した指導体制が敷かれている。
全国大会などでの成績
全国高校サッカー選手権大会に通算4回、インターハイに通算3回の出場実績を記録している。2019年度の第98回選手権では龍谷(佐賀)を破り選手権全国初勝利を達成。2025年度のインターハイ全国大会でも四日市中央工業(三重)を2-0で破り2回戦へ進出した。高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグにおいてもプリンスリーグ東北に参戦し、東北トップレベルの強度の中で戦い続けている。
全国高校サッカー選手権大会
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2010年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は遠野/優勝・滝川第二(兵庫) |
| 2011年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は盛岡商/優勝・市立船橋(千葉) |
| 2012年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は盛岡商/優勝・鵬翔(宮崎) |
| 2013年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は遠野/優勝・富山第一(富山) |
| 2014年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は遠野/優勝・星稜(石川) |
| 2015年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は遠野/優勝・東福岡(福岡) |
| 2016年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 1-2 遠野/優勝・青森山田(青森) |
| 2017年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 岩手県代表は遠野/優勝・前橋育英(群馬) |
| 2018年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 1-2 花巻東/優勝・青森山田(青森) |
| 2019年度 | 専大北上 | 第98回全国高校サッカー選手権大会(初出場) | 2回戦敗退 | 1回戦 3-1 龍谷(佐賀)=選手権全国初勝利 2回戦 0-0(PK5-6) 國學院久我山(東京B)/優勝・静岡学園(静岡) |
| 2020年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 1-2 遠野/優勝・山梨学院(山梨) |
| 2021年度 | 専大北上 | 第100回全国高校サッカー選手権大会(2度目) | 1回戦敗退 | 初戦敗退(1回戦 2-4 奈良育英(奈良))/優勝・青森山田(青森) |
| 2022年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会ベスト4 | 岩手県代表は盛岡商/優勝・岡山学芸館(岡山) |
| 2023年度 | 専大北上 | 全国高校サッカー選手権大会(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 1-2 遠野/優勝・青森山田(青森) |
| 2024年度 | 専大北上 | 第103回全国高校サッカー選手権大会(3度目) | 1回戦敗退 | 初戦敗退(1回戦 0-2 高知(高知))/優勝・前橋育英(群馬) |
| 2025年度 | 専大北上 | 第104回全国高校サッカー選手権大会(4度目) | 1回戦敗退 | 初戦敗退(1回戦 1-2 広島皆実(広島))/優勝・神村学園(鹿児島) |
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2010年度〜2018年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(岩手県大会) | 県大会敗退(詳細記録なし) | 準優勝・ベスト4複数回/各年度優勝校 |
| 2019年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(初出場) | 2回戦敗退 | 沖縄開催/1回戦 3-2 大社(島根)、2回戦 0-1 大分(大分)/優勝・桐光学園(神奈川) |
| 2020年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(岩手県大会) | 大会中止 | 新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止 |
| 2021年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(2度目) | 1回戦敗退 | 福井開催/初戦敗退(1回戦 1-7 前橋育英(群馬))/優勝・青森山田(青森) |
| 2022年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 0-1 花巻東/優勝・前橋育英(群馬) |
| 2023年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 0-1 遠野/優勝・明秀学園日立(茨城) |
| 2024年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(岩手県大会) | 県大会準優勝 | 決勝 1-2 遠野/優勝・昌平(埼玉) |
| 2025年度 | 専大北上 | 全国高校総体(インターハイ)(3度目) | 2回戦敗退 | 福島開催/1回戦 2-0 四日市中央工(三重)、2回戦 1-2 桐光学園(神奈川)/優勝・神村学園(鹿児島) |
高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名 | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年度 | 専大北上 | 岩手県U-18リーグ(i.League 1部) | 2位 | 県リーグ残留/優勝・盛岡商 |
| 2019年度 | 専大北上 | 岩手県U-18リーグ(i.League 1部) | 2位 | 県リーグ残留/優勝・盛岡商 |
| 2020年度 | 専大北上 | 岩手県U-18リーグ(i.League 1部) | 優勝 | 特別大会(昇降格なし) |
| 2021年度 | 専大北上 | 岩手県U-18リーグ(i.League 1部) | 2位 | 県リーグ残留/優勝・花巻東 |
| 2022年度 | 専大北上 | 岩手県U-18リーグ(i.League 1部) | 優勝 | プリンスリーグ東北プレーオフ勝利・昇格決定 |
| 2023年度 | 専大北上 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ東北 | 7位 | プリンスリーグ東北残留達成/優勝・青森山田2nd |
| 2024年度 | 専大北上 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ東北 | 6位 | プリンスリーグ東北残留達成/優勝・尚志 |
| 2025年度 | 専大北上 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ東北 | 7位 | プリンスリーグ東北残留達成/優勝・尚志 |
| 2026年度 | 専大北上 | 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ東北 | 参戦中 | プリンス東北上位進出を目指し参戦中 |
部員数と練習環境
男子サッカー部の部員数は、各学年約30〜40名、全体で約100〜120名規模を誇る大所帯である。トップチーム、セカンドチーム、サードチーム、U-16ルーキーチームなどカテゴリーごとに公式戦(プリンスリーグ東北、i.League、ルーキーリーグ)へ参戦し、全員が実戦を通じて成長できる体制を整えている。
練習環境は2024年に大きく進化を遂げた。長く利用してきたグラウンドに加え、後援会や学園の支援により2024年秋に校内専用の「新人工芝サッカー場」が完成。夜間照明も完備され、天候や積雪期に左右されることなく年中高強度のトレーニングが可能な環境が整った。また、北上総合運動公園などの外部施設も活用している。
チームの特徴とユニフォーム
プレースタイルは、素早い攻守の切り替えと粘り強いディフェンスを土台とし、後方から丁寧にボールを動かして相手のギャップを突く近代的なポゼッションサッカーである。選手一人ひとりが労を惜しまずに走るタフさと、局面を打開する技術・アイディアを高次元で融合させている。
公式戦ユニフォームのサプライヤーはMIZUNO(ミズノ)である。フィールドプレーヤーの正ユニフォーム(HOME)はチームカラーである伝統の「緑(グリーン)」を基調とし、副ユニフォーム(AWAY)は「白(ホワイト)」を採用している。胸部には「SENSHU」のロゴと校章が刻まれている。
寮生活・下宿環境
遠方から入学する選手のために、男子アスリート専用の寄宿舎(栄光寮・北桜寮等)が用意されている。寮では管理栄養士によるバランスの取れた食事が提供され、日々のハードなトレーニングに必要な身体作りと健康管理が徹底されている。
仲間とともに規則正しい共同生活を送ることで、自立心や協調性、感謝の心が培われる。また、専修大学の付属校として大学進学を見据えた学習指導も行われており、文武両道の生活環境が整っている。
セレクション情報と入試案内
サッカー部では、次年度の入学・入部を希望する中学3年生を対象とした練習体験会を例年7月から8月頃にかけて校内人工芝グラウンド等で開催している。申込みは学校公式ホームページや部活動サイトを通じてエントリーシートを提出する形で行われる。
入試形態には推薦入試(スポーツ推薦・専願)および一般入試が設けられている。コース別の学力偏差値目安は、普通科ディープラーニングコースが44程度、アクティブラーニングコースが43程度、グローカルビジネス科が38程度、自動車科が37程度となっている。専修大学への内部推薦制度をはじめ、多様な進路選択が可能である。
プロサッカー選手を輩出したOB一覧
専修大学北上高等学校 男子サッカー部(高校単独部活動)から直接プロ契約を結んだOB選手は、現時点で該当者はいない。
多くの卒業生が関東大学サッカーリーグや東北大学サッカーリーグの強豪大学(専修大学、仙台大学、流通経済大学、富士大学など)へ進学して主力を務めており、大学サッカー経由でのJリーガー誕生が大いに期待されている。




















