【高校選手権コラム】野洲の新セクシーフットボール

野洲のイレブン、青森山田に勝てば優勝も現実的になる

 野洲の新セクシーフットボール

野洲のイレブン、青森山田に勝てば優勝も現実的になる

進化したセクシーフットボールで、会場を沸かせた

 今大会、1回戦注目のカードは12月31日駒沢陸上競技場で行われた野洲vs青森山田の試合だろう。前々から聞いていたが、野洲のサッカーが以前比べて進化していうと聞いた。野洲フェスティバルと青森山田との試合を観た新しい野洲のセクシーフットボールについて、自分なりに分析してみた。

 前回、初優勝した84回大会より、現在の方が進化している。進化前の野洲のサッカーはリスクを恐れず、ドリブルとショートパスをつなぎ、トリッキーなプレーも併せて、90分間攻撃的なサッカーを展開して、点を取りまくる試合が多かった。しかし、このスタイルだと、相手のプレスにかかった時や、ハーフライン地点でパスカットされ、ショートカウンターで失点するケースが多かった。また、運動量も多いため、最後までスタミナ持たないとデメリットもあった。

 しかし、これらも弱点を補いながら、新しいセクシーフットボールへ進化を果たした。一番は特徴は密集地で人数をかけて相手のタイミングを外しながらショートバスをつなげてゴールに迫っていく点だ。走りながらボールを扱うより、歩いてボールを扱った方が、正確にボールをコントロールが可能となる。パスを受けた時から、詰めてくる相手のタイミングを見て、上手く外しながら、次のパスを選択する。数的優位を作る為、両サイドバックも、中盤までラインを押し上げる。システムは2-5-3というのが適切かもしれない。センターバックの2枚はもちろん、5-3の8人で密集地を作り、得点パターンは、2列目からの飛び越した選手へのスルーパスか、個人技の高い両サイドの選手を使ったサイド攻撃から、ゴール前に3人以上が詰めて、低いパスでゴールへ流し込むケースが多い。

野洲の司令塔望月、この日はミスも多かったが、広い視野は群を抜いていた

野洲の司令塔望月、この日はミスも多かったが、広い視野は群を抜いていた

 

 また、今まで課題となっていた守備への意識も格段に向上している。密集地でボールを取られた場合も、その瞬間に3人以上で取り囲み、1~2人でプレッシャーをかけ、残りの選手がこぼれ球を取り、その場で攻撃を再開する。また、ハーフラインより付近でパスカットされても、ボランチとセンターバックが取り囲み、危険になった瞬間、GKに大きくバックパスを出し、両センターバックがペナルティエリアまで戻り、サイドに開いてパスを受け、再び攻撃を組み立て直す。これをより失点するリスクも軽減されている。

 低いショートパスをつなげていくため、フィジカルの強い選手が必ずしも必要ではなく、背が低くても、技術を持った選手が重宝される。今回の選手権でも、フィジカルが強い青森山田に対してもタイミングを崩しながら、ショートバスをつなげ、ボールポゼッションでは7割以上を記録していた。このシステムにも弱点があり、相手がカウンターをする際は両サイドに大きなスペースが空いており、青森山田はこのスペースにFWを走らせ、カウンターの起点を作っていた。青森山田の先制点も空いたサイドのスペースをドリブルされ、ミドルシュートを決められている。

 守りでは特にセットプレーで、青森山田の高さに決定的なチャンスを作られており、170cmの水野と178cmの飯田では高さに不安があり、2枚のセンターバックは、180cm以上は欲しいところだ。今後負けないサッカーをするためにはこの2枚のセンターバックが「速くて、高くて、技術もある」選手を配置できるかが肝になるだろう。

 野洲のサッカーは、観客も沸せていたし、観ていて面白いと思った。山本監督も話す通り、このサッカーを極めることができれば、日本が世界で戦う上で、マイナーチェンジを繰り返しながら採用してみてもよいのではないかと思った。

野洲のサッカーを支えた岩谷コーチ、今シーズンで退任する

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