本田裕一郎(流通経済大学付属柏高校)高校サッカー名将列伝
目次
1. 監督総評
市原緑高校、習志野高校、流通経済大学付属柏高校、そして国士舘高校と、指導したすべての高校を全国の舞台へと導いた高校サッカー界屈指の革命児。2001年に就任した流経大柏高校では、絶対王者・市立船橋高校が君臨する最激戦区・千葉において徹底した走力強化と「ボールを奪い切る」アグレッシブなハイプレスを植え付け、全国屈指の超名門へと急成長させた。
2007年度にはエース大前元紀を擁して高円宮杯全日本ユース選手権と全国高校選手権の二冠を達成。2008年の全国高校総体優勝(市船と両校優勝)、2013年の高円宮杯プレミアリーグチャンピオンシップ優勝(高校勢初の高校年代真の日本一)、2017年の総体単独制覇、2017・2018年度選手権2年連続準優勝など数多の金字塔を打ち立てた。高校年代の通年リーグ戦「関東スーパーリーグ」の立ち上げにも尽力し、現在の育成インフラの基礎を築いた。
2020年からは東京都の国士舘高校にてテクニカルアドバイザー(TA)・総監督に就任。精力的な強化を推し進め、2026年には同校を18年ぶり(17大会ぶり)となる夏の全国高校総体(インターハイ)出場へと導いた。大前元紀、比嘉祐介、田口泰士、小川諒也、関川郁万ら数多くの日本代表・Jリーガーを育て上げ、情熱を燃やし続ける至高の名将である。
2. 基本情報
- 氏名:本田 裕一郎(ホンダ ユウイチロウ)
- 生年月日:1947年5月1日(昭和22年5月1日)
- 現所属:国士舘高等学校 サッカー部 テクニカルアドバイザー(TA)/ 総監督(元・流通経済大学付属柏高等学校 サッカー部 監督、元・習志野市立習志野高等学校 サッカー部 監督、元・千葉県立市原緑高等学校 サッカー部 監督)
3. 指導歴
- 1970年:市原市教育委員会 体育指導員
- 1971年 – 1974年:市原市立五井中学校 教員・サッカー部 指導
- 1975年 – 1985年:千葉県立市原緑高等学校 保健体育科教員・サッカー部 監督
- 1986年 – 2000年:習志野市立習志野高等学校 保健体育科教員・サッカー部 監督
- 2001年 – 2019年:流通経済大学付属柏高等学校 保健体育科教員/副校長・サッカー部 監督
- 2020年 – 現在:国士舘高等学校 サッカー部 テクニカルアドバイザー(TA)/ 総監督
4. 指導者戦績(流通経済大柏高校・国士舘高校時代:2001年度〜2026年度)
全国高校サッカー選手権
流経大柏時代:出場6回 優勝:1回 準優勝:2回 ベスト4:2回 / 国士舘時代:東京都予選準優勝1回(2022年)
| 年度 | 高校名 | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2001年 | 流通経済大柏高校 | 第80回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選敗退 | 流経大柏監督就任初年度 / 市立船橋高校が出場 |
| 2002年 | 流通経済大柏高校 | 第81回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選敗退 | 市立船橋高校が出場 |
| 2003年 | 流通経済大柏高校 | 第82回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選敗退 | 市立船橋高校が出場 |
| 2004年 | 流通経済大柏高校 | 第83回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に惜敗 |
| 2005年 | 流通経済大柏高校 | 第84回全国高校サッカー選手権(初出場) | 2回戦進出 | 選手権本大会初出場 / 1回戦で高川学園に1-0勝利、2回戦で野洲にPK敗退 |
| 2006年 | 流通経済大柏高校 | 第85回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選敗退 | 八千代高校が出場 |
| 2007年 | 流通経済大柏高校 | 第86回全国高校サッカー選手権(2年ぶり2回目) | 優勝 | 選手権初制覇・夏冬全国2冠達成 / 決勝で藤枝東に4-0圧勝(大前元紀、比嘉祐介) |
| 2008年 | 流通経済大柏高校 | 第87回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に惜敗(田口泰士、久場光) |
| 2009年 | 流通経済大柏高校 | 第88回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で八千代高校に惜敗 |
| 2010年 | 流通経済大柏高校 | 第89回全国高校サッカー選手権(3年ぶり3回目) | ベスト4(3位) | 全国4強進出 / 準決勝で久御山高校にPK惜敗(吉田眞紀人、増田繁人) |
| 2011年 | 流通経済大柏高校 | 第90回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に惜敗 |
| 2012年 | 流通経済大柏高校 | 第91回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で八千代高校に惜敗 |
| 2013年 | 流通経済大柏高校 | 第92回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に惜敗 |
| 2014年 | 流通経済大柏高校 | 第93回全国高校サッカー選手権(4年ぶり4回目) | ベスト4(3位) | 全国4強進出 / 準決勝で前橋育英高校にPK惜敗(小川諒也) |
| 2015年 | 流通経済大柏高校 | 第94回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に惜敗 |
| 2016年 | 流通経済大柏高校 | 第95回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に惜敗 |
| 2017年 | 流通経済大柏高校 | 第96回全国高校サッカー選手権(3年ぶり5回目) | 準優勝 | 全国準優勝 / 決勝で前橋育英高校に0-1惜敗(関川郁万、熊澤和希) |
| 2018年 | 流通経済大柏高校 | 第97回全国高校サッカー選手権(2年連続6回目) | 準優勝 | 2年連続全国準優勝 / 決勝で青森山田高校に1-3惜敗(関川郁万、熊澤和希) |
| 2019年 | 流通経済大柏高校 | 第98回全国高校サッカー選手権 | 千葉県予選準優勝 | 決勝で市立船橋高校に2-3惜敗 / 流経大柏監督退任年 |
| 2020年 | 国士舘高校 | 第99回全国高校サッカー選手権 | 東京都予選敗退 | 国士舘TA就任初年度 / 関東第一、堀越が出場 |
| 2021年 | 国士舘高校 | 第100回全国高校サッカー選手権 | 東京都予選敗退 | 堀越、関東第一が出場 |
| 2022年 | 国士舘高校 | 第101回全国高校サッカー選手権 | 東京都Bブロック予選準優勝 | 決勝で成立学園高校に1-2惜敗 |
| 2023年 | 国士舘高校 | 第102回全国高校サッカー選手権 | 東京都予選敗退 | 堀越、早稲田実業が出場 |
| 2024年 | 国士舘高校 | 第103回全国高校サッカー選手権 | 東京都予選敗退 | 帝京、堀越が出場 |
| 2025年 | 国士舘高校 | 第104回全国高校サッカー選手権 | 東京都Bブロック予選敗退 | 準々決勝で駒澤大高に惜敗 |
全国高校総体(インターハイ)
流経大柏時代:出場12回 優勝:2回 準優勝:2回 ベスト4:3回 / 国士舘時代:出場1回(2026年)
| 年度 | 高校名 | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2001年 | 流通経済大柏高校 | 平成13年度全国高校総体 | 千葉県予選敗退 | 監督就任初年度 / 習志野高校、市立船橋高校が出場 |
| 2002年 | 流通経済大柏高校 | 平成14年度全国高校総体 | 千葉県予選敗退 | 幕張総合高校、渋谷幕張高校が出場 |
| 2003年 | 流通経済大柏高校 | 平成15年度全国高校総体(初出場) | 2回戦進出 | 流経大柏としてインターハイ全国初出場 |
| 2004年 | 流通経済大柏高校 | 平成16年度全国高校総体(2年連続2回目) | 3回戦進出 | ベスト16進出 |
| 2005年 | 流通経済大柏高校 | 平成17年度全国高校総体(3年連続3回目) | 2回戦進出 | 千葉開催枠 |
| 2006年 | 流通経済大柏高校 | 平成18年度全国高校総体(4年連続4回目) | 3回戦進出 | ベスト16進出 |
| 2007年 | 流通経済大柏高校 | 平成19年度全国高校総体(5年連続5回目) | ベスト4(3位) | 総体初の全国4強進出 / 大前元紀が得点王獲得 |
| 2008年 | 流通経済大柏高校 | 平成20年度全国高校総体(6年連続6回目) | 優勝(両校優勝) | インターハイ全国初制覇 / 市立船橋高校と両校優勝(田口泰士、久場光) |
| 2009年 | 流通経済大柏高校 | 平成21年度全国高校総体 | 千葉県予選敗退 | 習志野高校が出場 |
| 2010年 | 流通経済大柏高校 | 平成22年度全国高校総体(2年ぶり7回目) | 3回戦進出 | ベスト16進出(吉田眞紀人、増田繁人) |
| 2011年 | 流通経済大柏高校 | 平成23年度全国高校総体(2年連続8回目) | 3回戦進出 | ベスト16進出 |
| 2012年 | 流通経済大柏高校 | 平成24年度全国高校総体(3年連続9回目) | 2回戦進出 | |
| 2013年 | 流通経済大柏高校 | 平成25年度全国高校総体(4年連続10回目) | 準優勝 | 全国準優勝 / 決勝で市立船橋高校に2-4惜敗 |
| 2014年 | 流通経済大柏高校 | 平成26年度全国高校総体 | 千葉県予選敗退 | 習志野高校、市立船橋高校が出場 |
| 2015年 | 流通経済大柏高校 | 平成27年度全国高校総体(2年ぶり11回目) | ベスト8 | 準々決勝敗退 |
| 2016年 | 流通経済大柏高校 | 平成28年度全国高校総体(2年連続12回目) | 準優勝 | 全国準優勝 / 決勝で市立船橋高校に0-1惜敗 |
| 2017年 | 流通経済大柏高校 | 平成29年度全国高校総体(3年連続13回目) | 優勝 | 9年ぶり2度目の全国制覇(初の単独優勝) / 決勝で日大藤沢に1-0勝利(関川郁万、熊澤和希) |
| 2018年 | 流通経済大柏高校 | 平成30年度全国高校総体 | 千葉県予選敗退 | 習志野高校、市立船橋高校が出場 |
| 2019年 | 流通経済大柏高校 | 令和元年度全国高校総体 | 千葉県予選敗退 | 日体大柏高校が出場 / 流経大柏監督退任年 |
| 2020年 | 国士舘高校 | 令和2年度全国高校総体 | 大会中止 | 新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止 |
| 2021年 | 国士舘高校 | 令和3年度全国高校総体 | 東京都予選敗退 | 実践学園、帝京が出場 |
| 2022年 | 国士舘高校 | 令和4年度全国高校総体 | 東京都予選敗退 | 関東第一、成立学園が出場 |
| 2023年 | 国士舘高校 | 令和5年度全国高校総体 | 東京都予選敗退 | 成立学園、國學院久我山が出場 |
| 2024年 | 国士舘高校 | 令和6年度全国高校総体 | 東京都予選2回戦敗退 | 帝京、駒澤大高が出場 |
| 2025年 | 国士舘高校 | 令和7年度全国高校総体 | 東京都予選敗退 | 帝京、堀越が出場 |
| 2026年 | 国士舘高校 | 令和8年度全国高校総体(17大会ぶり3回目) | 1回戦敗退 | 国士舘として18年ぶりの全国総体出場 / 予選準優勝 / 本大会1回戦で高知中央に2-2(PK2-4)惜敗(舟見優一) |
高円宮杯 JFA U-18 / 全日本ユース・プレミアリーグ(流経大柏時代:2001年度〜2019年度)
全日本ユース出場4回 優勝:1回(2007年) ベスト8:1回(2010年) / プレミアリーグ所属8期 チャンピオンシップ優勝:1回(2013年)
| 年度 | 高校名 | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2001年 | 流通経済大柏高校 | 第12回全日本ユース選手権 | 関東予選敗退 | |
| 2002年 | 流通経済大柏高校 | 第13回全日本ユース選手権 | 関東予選敗退 | |
| 2003年 | 流通経済大柏高校 | 第14回全日本ユース選手権 | 関東予選敗退 | |
| 2004年 | 流通経済大柏高校 | 第15回全日本ユース選手権 | 関東予選敗退 | |
| 2005年 | 流通経済大柏高校 | 第16回全日本ユース選手権(初出場) | 1次ラウンド敗退 | ユース選手権本大会初出場 |
| 2006年 | 流通経済大柏高校 | 第17回全日本ユース選手権 | プリンスリーグ関東敗退 | |
| 2007年 | 流通経済大柏高校 | 第18回全日本ユース選手権(2年ぶり2回目) | 優勝 | ユース選手権全国初制覇 / 決勝でサンフレッチェ広島ユースに勝利(大前元紀) |
| 2008年 | 流通経済大柏高校 | 第19回全日本ユース選手権(2年連続3回目) | 1次ラウンド敗退 | グループリーグ敗退(田口泰士) |
| 2009年 | 流通経済大柏高校 | 第20回全日本ユース選手権 | プリンスリーグ関東敗退 | |
| 2010年 | 流通経済大柏高校 | 第21回全日本ユース選手権(2年ぶり4回目) | ベスト8 | 準々決勝進出(吉田眞紀人、増田繁人) |
| 2011年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 4位 | プレミアリーグ創設初年度参入・残留 |
| 2012年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 6位 | プレミアリーグ残留 |
| 2013年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST / CS | EAST優勝&CS制覇 | 高校勢初のプレミアリーグチャンピオンシップ優勝(真の日本一) / 決勝でヴィッセル神戸U-18を撃破 |
| 2014年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 7位 | プレミアリーグ残留(小川諒也) |
| 2015年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 7位 | プレミアリーグ残留 |
| 2016年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 9位 | プリンスリーグ関東へ降格 |
| 2017年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プリンスリーグ関東 | 2位 | プレミアリーグ参入戦勝利・プレミア復帰 |
| 2018年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 7位 | プレミアリーグ残留(関川郁万) |
| 2019年 | 流通経済大柏高校 | 高円宮杯プレミアリーグEAST | 9位 | 監督退任年 |
5. 選手経歴
(1) 出身チーム
- 2種(高校・ユース):静岡県立静岡東高等学校 サッカー部
- 3種(中学・ジュニアユース):静岡市内公立中学校
- 4種(小学・ジュニア・少年団):静岡市内少年団
(2) 卒業後の進路
- 大学:順天堂大学 体育学部 体育学科(蹴球部、1970年卒業)
- 社会人・実業団:なし(大学卒業後、市原市教育委員会体育指導員を経て学校教育・指導者の道へ)
- プロ:なし
- 日本代表:該当なし
(3) 選手時代の総評
静岡県に生まれ育ち、静岡県立静岡東高校で赴任してきた教員の影響を受け、高校2年の終わり頃から本格的にサッカーを始める。遅咲きのスタートながら熱心にボールを追い、卒業後は保健体育科教諭および指導者を志して順天堂大学体育学部に進学した。
順天堂大学蹴球部では、後に盛岡商業高校を率いて全国制覇を果たす斎藤重信らと同期として切磋琢磨。体系的な運動生理学や最新のトレーニング理論、戦術眼を養った。派手な競技実績こそ持たないものの、大学卒業後に市原市教育委員会で巡回指導に携わり、五井中学校で指導の面白さに目覚めた原体験が、その後の40年以上にわたる情熱的な指導者人生の確固たる礎となった。

















