多摩大学目黒高校(東京都)
東京都目黒区下目黒に校舎を構える多摩大学目黒高等学校のサッカー部。激戦区として知られる東京都において、全国高校サッカー選手権大会東京都予選での決勝進出(準優勝)や、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京(Tリーグ)のトップカテゴリーであるT1リーグへの定着など、近年目覚ましい躍進を遂げている気鋭の私立強豪校である。神奈川県横浜市青葉区に位置する充実の専用施設「あざみ野セミナーハウス」の人工芝グラウンドを拠点に活動を展開。選手一人ひとりの高い個人技と判断力、自立心を重んじる独自の育成メソッドを確立し、Jリーガーや海外プロリーグ挑戦者など国内外のフットボール界へ着実に優秀なタレントを送り出している。
目次
学校の設立と概要
多摩大学目黒高等学校は、1937年(昭和12年)10月に創立者・田村國雄によって設立認可を受けた「目黒商業女学校」をその起源とする私立高等学校である。戦後の学制改革に伴い、1947年に新制中学校、1948年に新制高等学校(目黒学園女子商業高等学校、のちに目黒学園女子高等学校)へと改組。長年にわたり女子教育の拠点として地域社会の発展と女子教育振興に大きく寄与してきた。
時代の進展と教育ニーズの多様化に対応するため、1989年の多摩大学開学を経て、1995年(平成7年)に「多摩大学目黒中学校・高等学校」へと校名変更を実施。翌1996年には高校が男女共学化(中学校は2002年に共学化)を果たし、進学校・共学校としての新たな歩みを力強くスタートさせた。学校法人田村学園が運営し、建学の精神に「質実剛健」「明朗協調」「初志貫徹」を掲げ、確かな基礎学力と高い倫理観を備えたグローバル社会のリーダー育成を推進している。
目黒駅から徒歩圏内の利便性に優れた目黒キャンパスに加え、神奈川県横浜市青葉区に広大な自然環境と充実したスポーツ施設を誇る「あざみ野セミナーハウス」を所有。ICT教育や手厚い進学指導体制を整え、国公立大学や難関私立大学への高い進学実績を築き上げるとともに、文武両道を実践する特色ある私学として確固たる評価を確立している。
サッカー部創部の経緯
多摩大学目黒高等学校サッカー部は、1996年(平成8年)の高校男女共学化に伴い創部された。創部当初は部員数も少なく、東京都予選の初戦敗退が続くなど無名校からのスタートを余儀なくされたが、元Jリーガー(富士通サッカー部/現川崎フロンターレ等)の遠藤雅貴氏が指導陣に就任したことで、チームの育成環境と強化方針は劇的な変革期を迎えることとなった。
中学・高校の一貫指導体制の構築と「あざみ野セミナーハウス」の人工芝ピッチという卓越した環境整備を推進。徹底したボールコントロール技術の習得と、選手自らが考えて判断する戦術眼の育成に注力した。その成果は着実に現れ、中学校サッカー部が全国中学校サッカー大会で全国ベスト8に進出するなど下部組織が全国規模の強豪へと急成長。その一貫指導で育った生え抜き選手と、関東近郊の有力クラブから集まった選手たちが高校年代で融合を果たした。
2010年代以降、東京都の高校年代最高峰である「T1リーグ」への昇格を果たすとともに、全国高校サッカー選手権大会東京都予選やインターハイ東京都予選で帝京、国学院久我山、関東第一、成立学園といった全国大会常連校と互角以上に渡り合う存在へと進化。東京都のサッカー勢力図を塗り替える新興勢力の旗手として、高校サッカー界で確固たる存在感を示している。
現監督と指導陣
- 遠藤雅貴(えんどうまさき)(在籍期間:創部初期〜在任中)
多摩大学目黒中学校・高等学校サッカー部総監督/高校監督。現役時代は富士通サッカー部(現・川崎フロンターレ)などで選手として活躍。引退後に指導者の道を歩み、多摩大学目黒の創部間もない時期から指導にあたっている。単なる戦術の詰め込みではなく、「個の技術の徹底的な向上」「選手間の自立を促し好循環を生む組織づくり」を提唱。ベースボール・マガジン社『コーチング・クリニック』等の専門誌でもその育成理論が特集されるなど、指導者として全国的に高い評価を得ている。無名だった同校を一貫指導により東京都屈指の強豪へと育て上げた名将である。
また、チームにはJリーグ下部組織や大学サッカーでの競技・指導経験を持つ優秀な専任コーチ陣、メディカル・フィジカルスタッフが揃い、中高6年間および高校3年間の成長サイクルを見据えたきめ細かなサポート体制を確立している。
全国大会などでの成績
多摩大学目黒高校サッカー部は、全国屈指の激戦区である東京都予選において、着実にトーナメント上位へ進出する実績を積み重ねてきた。伝統校や強豪Jユースがひしめく東京都において、幾度もベスト8、ベスト4へと進出し、第104回全国高校サッカー選手権大会東京都予選(2次予選)では悲願の決勝進出を果たして準優勝に輝くなど、全国大会出場まであと一歩のところまで迫っている。
高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京(Tリーグ)においては、激しい昇降格争いを勝ち抜き、東京都のトップカテゴリーである「T1リーグ」に参戦。FC東京U-18(B)や東京ヴェルディユース(B)といったJアカデミー勢や、帝京、成立学園、国学院久我山といった全国レベルの強豪高体連チームと日常的にしのぎを削り、常に高強度の公式戦経験を重ねている。
全国高校総体(インターハイ)東京都予選においてもコンスタントに支部予選を突破して都大会上位へと勝ち上がり、東京都の勢力図における上位進出常連校としての地位を揺るぎないものにしている。
全国高校サッカー選手権大会(東京都大会・全国大会)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名(出場回数) | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2015年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退(都ベスト16) | 東京都代表は駒澤大高・國學院久我山/優勝・東福岡(福岡) |
| 2016年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退 | 東京都代表は駒澤大高・関東第一/優勝・青森山田(青森) |
| 2017年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退 | 東京都代表は実践学園・関東第一/優勝・前橋育英(群馬) |
| 2018年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退(都ベスト16) | 東京都代表は駒澤大高・國學院久我山/優勝・青森山田(青森) |
| 2019年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退 | 東京都代表は東久留米総合・國學院久我山/優勝・静岡学園(静岡) |
| 2020年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退(都ベスト8) | 東京都代表は関東第一・堀越/優勝・山梨学院(山梨) |
| 2021年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退 | 東京都代表は堀越・関東第一/優勝・青森山田(青森) |
| 2022年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退 | 東京都代表は成立学園・國學院久我山/優勝・岡山学芸館(岡山) |
| 2023年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退(都ベスト16) | 東京都代表は早稲田実・堀越/優勝・青森山田(青森) |
| 2024年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 2次予選敗退(都ベスト8) | 東京都代表は帝京・堀越/優勝・前橋育英(群馬) |
| 2025年度 | 多摩大目黒 | 全国高校サッカー選手権大会(東京都2次予選) | 東京都予選 準優勝(Bブロック決勝進出) | 決勝進出を果たすも惜敗/東京都代表は早稲田実/優勝・神村学園(鹿児島) |
全国高等学校総合体育大会(インターハイ東京都予選)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名 | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 1次トーナメント敗退 | 東京都代表は関東第一・國學院久我山/優勝・山梨学院(山梨) |
| 2019年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 1次トーナメント敗退 | 東京都代表は國學院久我山・大成/優勝・桐光学園(神奈川) |
| 2020年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 大会中止 | 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大会中止 |
| 2021年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 1次トーナメント敗退 | 東京都代表は実践学園・駿台学園/優勝・青森山田(青森) |
| 2022年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 ベスト16 | 東京都代表は帝京・関東第一/優勝・前橋育英(群馬) |
| 2023年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 ベスト16 | 東京都代表は國學院久我山・成立学園/優勝・明秀学園日立(茨城) |
| 2024年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 ベスト8 | 東京都代表は帝京・駒澤大高/優勝・昌平(埼玉) |
| 2025年度 | 多摩大目黒 | 全国高校総体 東京都予選 | 東京都大会 ベスト8 | 東京都代表は堀越・大成/優勝・神村学園(鹿児島) |
高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京(Tリーグ)
| 年度 | 高校名(チーム名) | 大会名 | 成績・結果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T2リーグ | T2リーグ上位 | T1リーグ昇格争いを展開 |
| 2020年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T2リーグ | 分散開催・規定順位 | 感染症拡大に伴い短縮日程等で実施 |
| 2021年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T2リーグ | T2リーグ上位 | 安定した勝点を積み上げ上位進出 |
| 2022年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T2リーグ | T2リーグ 昇格圏 | 見事にT1リーグへの昇格を達成 |
| 2023年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T1リーグ | T1リーグ 6位 | 都内最上位カテゴリーで残留・定着を果たす |
| 2024年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T1リーグ | T1リーグ 5位 | 強豪校やJユースBと互角の戦いを演じる |
| 2025年度 | 多摩大目黒 | 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T1リーグ | T1リーグ 4位 | 上位戦線へ進出 |
部員数
多摩大学目黒高校サッカー部の総部員数は約100〜120名規模で構成されている(学年あたり約35〜40名前後)。
カテゴリー構成・活動実態:
- Aチーム(トップチーム):高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T1リーグ、全国高校総体東京都予選、全国高校サッカー選手権東京都予選に参戦
- Bチーム:高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ東京 T3/T4リーグ等に参戦
- Cチーム・サテライト:地区ユースリーグ、研修リーグ等に参戦
- U-16(1年生チーム):Spolabルーキーリーグ(関東・首都圏ルーキーリーグ)および各種U-16研修大会に参戦
部員の主な出身チームとしては、系列組織である多摩大学目黒中学校サッカー部からの内部昇格組が中核を成しているほか、FC東京U-15深川・むさし、横浜FC鶴見ジュニアユース、川崎フロンターレU-15、東急SレイエスFC、FCヴィアージャ、九曜FC、FC深川レインボーズ、リバーFCなど、東京・神奈川を中心とする強豪タウンクラブやJクラブアカデミー、中学校部活動の出身選手が多数在籍している。
練習環境については、神奈川県横浜市青葉区鉄町にある「多摩大学目黒横浜セミナーハウス」の専用人工芝サッカー場を日常のメイン活動拠点としている。水はけが良くクッション性に優れた人工芝ピッチ、夜間照明設備、クラブハウス、ウエイトトレーニング設備が完備されており、放課後に専用直行バス等で移動して効率的なトレーニングを実施。平日は放課後16:30〜19:30頃、休日は公式戦や実戦形式のトレーニングマッチを行っている。
ユニフォーム
ユニフォームサプライヤーはPUMA(プーマ)を採用している。ファーストユニフォーム(HOME)は、チームカラーである鮮やかな「青」を基調とし、シャツが青色、パンツが紺色(または青色)、ソックスが青色のセットアップである。胸元には「TAMA UNIV. MEGURO」または「多摩大目黒」のロゴが配されている。セカンドユニフォーム(AWAY)は、クリーンな「白」を基調とし、シャツが白色、パンツが白色、ソックスが白色の組み合わせとなっている。GKユニフォームはフィールドプレイヤーと識別できるよう緑色、黄色、赤色などのカラーが用いられる。
ユニフォームスポンサーに関して、高体連(高校体育連盟)の公式規定に基づき、選手権やインターハイ等の公式戦用ユニフォームは学校名表示を原則とし、外部企業ロゴは掲出されていない。
寮・生活環境
多摩大学目黒高等学校には、学校直営の運動部専用寮や寄宿舎は設置されていない。そのため、所属する部員の大半は東京都内、神奈川県、埼玉県、千葉県などの首都圏近郊から自宅通学をしている。
寮費や諸経費に関しては、学校直営寮が存在しないため該当する公式設定費用はない。遠方からの進学希望者が個人で民間学生マンションや下宿を利用する場合、費用や契約内容は各民間事業者との個別契約に基づく形となる。
チームの練習拠点である「あざみ野セミナーハウス」は東急田園都市線・横浜市営地下鉄ブルーラインのあざみ野駅からバスアクセスが可能であり、目黒の本校舎からセミナーハウスへの直行移動など、学業終了後に速やかに練習へ合流できる運行態勢や生活動線が確立されている。
入学・入部案内
セレクション・練習会情報として、例年夏期(7月〜8月頃)および秋期を中心に、現中学3年生(新高校1年生)を対象としたサッカー部部活動体験会・練習会が「あざみ野セミナーハウス」人工芝グラウンドにて開催される。参加申し込みは公式WEBサイト等を通じて案内される。
入学後の入部資格に関しては、一般入試で合格・入学した生徒であってもサッカー部への入部は制度上可能である。ただし、都内トップレベルのT1リーグで戦う高い強度と技術水準が求められるため、真剣にサッカーと向き合い文武両道を全うする強い意志と覚悟が求められる。
偏差値および設置コースは以下の通りである。
- 特進コース:偏差値目安 58〜60(国公立・最難関私立大学合格を目指すカリキュラム)
- 進学コース:偏差値目安 54〜56(多摩大学への特別推薦枠や有名私立大学進学を目指すカリキュラム)
推薦入試の有無について、高校入試において一般入試のほか、中学校の推薦に基づく「推薦入試(単願推薦・公募推薦)」が実施されている。サッカー部の活動実績や部活動体験会等での評価を総合的に勘案した出願相談や優遇制度が設けられる場合があるため、詳細は学校説明会等で確認することが推奨される。
※これらの情報は年度・情勢により変動するため、あくまで参考情報となります。最新かつ正確な情報は必ず学校・クラブ公式HPをご確認いただくか、直接お問い合わせください。
チーム強化・指導方針
多摩大学目黒高校サッカー部の指導方針の根底にあるのは、徹底した「個人技術の極限までの追求」と「選手自身の判断に基づく自立したサッカー」である。個々の選手がプレッシャーの厳しい局面でも失われない正確なボールコントロール技術、精緻なパスワーク、ドリブルでの局面打開力を徹底して磨き上げる。
単にフィジカルの強さやロングボールに依存するのではなく、後方からの緻密なビルドアップとグラウンダーのパス交換で相手守備ブロックを崩すスタイルを展開。これらを支えるため、日々のトレーニングから数的優位の作り方やポジショニングの妙を選手自身に考えさせ、ピッチ上で即座に最適解を導き出す戦術眼と自律性を養成している。
また、「文武両道」をチームの絶対原則として位置づけており、学業をおろそかにした選手はピッチに立てないという厳格な規律を保持。系列の中学校サッカー部との連携による6年一貫指導の強みを活かし、目先の勝利のみならず、大学サッカーやJリーグ、さらには海外のプロリーグでも長く通用するフットボーラーおよび社会でリーダーシップを発揮できる人材の育成に注力している。
主なプロ選手一覧
- 2011年度卒:永田羽竜(多摩大学目黒高校 → 上武大学 → オーストラリア・Rochedale Rovers FC 他)※海外プロリーグ所属
- 2014年度卒:堀越大蔵(多摩大学目黒高校 → 東海大学 → アルビレックス新潟シンガポール → フィリピン・カヤFC-イロイロ → FC大阪)※J3所属・ACL出場
- 2022年度卒:鈴木善(多摩大学目黒高校 → 國學院大學 → ツエーゲン金沢内定)※2026/27シーズンJリーグ加入内定
※掲載基準:卒業年度は早生まれ(1〜3月生まれ)=生年+18、4〜12月生まれ=生年+19で算出。トップチーム昇格、J1〜J3または海外プロクラブとのプロ契約実績、およびJリーグ加入内定が確認できた選手のみを掲載。アマチュアクラブ所属選手やプロ契約のない選手は掲載対象外。


























