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【高校選手権】水入りも両校闘志新た

降雪による決勝順延という異例の事態でも、京都橘と鵬翔の両校に動揺はない。それどころか京都橘の米沢監督は「いい状態でやらせてもらえる」と前向きにとらえ、鵬翔の松崎監督も「しっかり準備し全力で戦う」と闘志を新たにする。

 京都橘にとっては恵みの雪といってもいい。2トップの小屋松と仙頭は故障を抱え、主将の高林も大会に入ってから急性胃腸炎を発症し体調は万全ではない。大会最多の5ゴールを挙げている小屋松は「連戦でけがはよくなっていなかったので、決勝はベストの状態で臨みたい」と歓迎する。

 何よりも主催者が両校優勝の決定を回避してくれたのがうれしかった。仙頭は「両校優勝の可能性もあったけど、決勝は用意されている。決着がつけられてうれしい」と喜び、高林も「みんなと長くサッカーができる。いい調整をして19日を迎えたい」と笑顔で国立競技場を後にした。

決勝の舞台を待ち望んでいたのは鵬翔も同じ。芳川は「両校優勝にならなくてよかった」と胸をなで下ろし、小原は「きっちり白黒をつけたかった」。主将の矢野も「順延はうれしい。決着をつけられる」と話すなど、選手たちからは単独で頂点に立つという強い思いがほとばしった。

 順延は貴重な準備期間に当てられる。準決勝の前には「手違い」(松崎監督)から星稜の試合映像を入手できずに肝を冷やしたが、決勝に向けて時間はたっぷりある。矢野は「決勝まで日が空くので緊張感を持って相手をしっかり研究したい」と笑顔をのぞかせ、水入りを味方に付けるつもりだ。

 首都圏に残って調整を続ける京都橘に対し、鵬翔は1度、地元・宮崎市に戻って仕切り直す。前例のない決勝順延で生じた肉体的にも精神的にも難しい調整に、対照的な方法で対処する両チーム。誰も予想できなかったドラマは19日に完結する。

【MSNニュース】