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【高校選手権】京都橘・米澤監督:「対策はしてきたが鵬翔の方が上だった」

京都橘・米澤監督
「選手は本当によくやってくれました。ここまで来られたこともそうですけど、本当によくやってくれた。結果については残念ですけど、選手たちを称えたいと思います」

Q.先制して得意な形で持ち込んで、セットプレーの対策もされていたということですが、そのセットプレーでやられてしまった点については?
「鵬翔はセットプレーの形を持っていて、勝負強いことも試合前から分かっていました。ただ、今回については、鵬翔の方が上だったと思います。対策もやってきたし、選手は言ったことをやってくれていたので、鵬翔の方が上だったと思っています」

Q.最後、選手たちにはどのような言葉を掛けたんですか?
「3年生はご苦労様と言いました。立ち上げ当時はここまで来られるとは思っていませんでした。素敵な選手に出会えて監督冥利につきると思っていますし、選手にありがとうと伝えました」

Q.12年間、改めて振り返って、感慨はありますか?
「12年という短い歴史ですけど、OBが継続してやってくれてきたことを今年の選手たちが引き継いでやってくれましたし、一つひとつの歴史がこういう形になったと思っています。12年は短いですけど、僕たちにとっては毎日、毎日が勝負でしたし、今ここにいられるのは幸せだと思っています。良い形でここまで来られましたが、良い時というのは長く続きません。1、2年がけっこういますので、新しいチームで今日の思いを持って、来年から頑張りたいと思います」

Q.今大会は2トップの生かし方がポイントだったと思いますが。
「2トップ、とよく言われましたが、あのふたりの関係だけでなく、そこに関わる他の選手が上手く機能していたというのは、ひとつあると思います。もうひとつはディフェンスの頑張り。そうした土台があったおかげで彼らが生きたんじゃないかと思います。チームトータルとして、よく機能したし、頑張ってこられたと思います」

Q.2トップの距離感がけっこう広がっているなかで、あそこまで連動できるのは、ほかの選手の押し上げが利いていたからでしょうか?
「そうですね。他の選手の関わりがよくて、広がっている場面では、そこを繋げてくれたと思っています。距離が遠いままでは、ウチの選手は機能しないので、それを埋めるということに関しては、やっていますけど」

Q.雪で順延になって多少回復できたとはいえ、120分、攻守の切り替えもよく、テンポもよかったと思いますが、どういうプランニングだったのか、最後まで戦えた要因は?
「フィジカルトレーニングに重きを置いてやってきたチームではありません。技術、戦術を落とし込んだトレーニングをしてきたつもりです。特にプリンスリーグではフィジカル的に鍛えられたので、その辺を上手く生かしながら、とは思っていました。この1週間については、選手たちは思う以上に疲れていたので、疲労を取ることに専念して調整してきました。今日はレギュレーション上、延長があることは分かっていましたし、延長もあり得るかな、と思っていました。その中で選手は日ごろからやっているところ、プラスアルファとして、今日の環境が走らせてくれたんじゃないかと思っています。彼らの潜在能力を引き出してもらえたことに関して、この大会にも、みなさんにも感謝しています」

Q.技術だけじゃなくて、動きの効率化や周りから見て走っているように見えるような、無駄なくアプローチするための工夫は?
「そういう形で選手にはアプローチしていましたし、プリンスで90分の試合を戦う中で、どういう風に動かなければならないかを学び、落とし込んできたつもりですから、選手はよく理解できていたんじゃないかなと思います」

Q.12年指揮されてきて、今大会で何が得られましたか?
「一番大きいのは選手の持っている力、可能性、伸びしろはたくさんあるんだな、と学べましたし、ゲームの厳しさも僕自身は学べたつもりですので、今後の次の選手たちに生かしていけたらなと思います」

Q.先発に1、2年が多く、3年生が5人。逆に3年生は、過去の3年生に比べてテクニック的に、そんなに上手くないとおっしゃっていましたが、逆に3年生の成長ぶりは?
「出ている者と、出ていない者がいましたから、例えば22人に入れる、入れない含めて、そのなかで3年生がいましたので、自分の想いとか気持ちもあったと思うんですね、複雑な思いがあったり、出ている者にとっては出ていない者を配慮したり。お互いを認めて、お互いを高めあうことについては、3年生は成長できたのかなって思いますし、それを受けて1、2年生は自分たちが出ているということについても、責任を持ってやらないといけないなという気持ちを持ってくれていたので、いい相乗効果があったと思います」

Q.高林くん、なかなか試合に出られなかったが。
「大会中にアクシデントで、彼が出られなくなって厳しい試合もあったので、チームとしてはその流れを継続することを選びました。彼自身のプレーヤーとしての問題ではなく、流れを大事にしたという僕の判断の選手選考だったので、彼については次のステージでまた頑張ってもらいたいなと。良い経験を彼もしているので、悔しさ、成長した部分を次のステージで生かせてもらえたらなと思います」

Q.リーグ戦と一発勝負のイメージづくりの違いは?
「プリンスリーグは自分たちのいいところを出して戦っていけると僕自身は思っていますし、思い切ってできることもある。リーグ戦なので。トーナメントに関しては一発勝負なので、選手たちは負けてはいけないという意識が強いと思うんですよね。そういう意味でも、併用してやっていますので、両方のいい部分を選手たちが吸収して、大学にい行ってもリーグ戦もカップ戦もあると思うんですよね。そういう文化の中でサッカーは行われているという意識できる最初の段階かなって思っているので、良い部分を伝えていっているつもりです。リーグ戦は毎週末、決勝戦をやっている感じでもあるので成長できますが、カップ戦の中でも試合中にも、試合外のところでも本当に成長していっているなという部分はあります。異常な集中力を発揮できる場でもあるので、トーナメントが一概に悪いとは僕は考えていないです」

Q.延期された1週間は、どんな調整を?
「調整に関しては、選手の疲労を動きながら取る。怪我を抱えている選手は動く時間も短くして調整しました。雪も残っていたのでできることも少なかったですし、ただ、雪の中でサッカーをするのもいい経験かなと思ってやらせた部分もありました。モチベーションを高く維持することはできたと思います。帰る、帰らないの判断は学校にしてもらったんですが、帰っても授業は1日しか出られないので、それなら残った方がいいという判断をいただいて、こちらで調整させてもらった。どちらがいいかということについては、いろいろな考え方もあるし、条件もあったと思っています。うちについては今日も中学入試があったり、帰ることによって迷惑をかける部分もあったと思いますので、この判断は間違っていないと今でも思っています」

Q.選手権が3週間も行われたのは初めてですが、空いたり、集中したり、難しかったと思いました。今後、選手権の日程についてご意見があれば?
「長くなったことで、選手たちと過ごす時間が増え、3年生とずっといられたのは嬉しく思っています。ただ3年生がいることで、入試とか費用とか、迷惑をかけるなって実感しています。今回はレアなケースだと思っていますので、貴重な体験だと考えていますが、だからといって、今後も長くした方がいいとは僕個人としてはあまり思っていません。例年の形でいいのかなと思っています」


FW小屋野知哉(2年)
「悔しいです。前半は少し押し込まれて、自分たちのサッカーができませんでした。でも、後半に入って徐々にできるようになりました。(勝ち越しゴールの場面は)(仙頭)啓也くんが中にいるのは分かっていたので、あとは感覚で上げました。(仙頭とともに5得点で得点王になったが)嬉しいですけど、チームが負けてしまったので、悔しさのほうが大きいです。(今大会を振り返って)楽しかったし、3年生と長くできたのも嬉しいし、国立でプレーできたのも嬉しかった。約1カ月、一緒にいたことで絆が生まれたと思います。(収穫は)チームとして戦う、チームのために戦うことの重要性を学べたこと。味方を上手く使いながら一瞬のところで点が取れたのは収穫です」

 

FW仙頭啓也(3年)
「振り返ってみれば、決められるところを決められなかったのが痛かったです。僕自身もPKを外してしまって、悔しいです。(PKの場面)右に蹴るのは決めていたんですけど、ああいう結果になってしまいました。(勝ち越しゴールの場面は)どんな形でもいいから追加点がほしかった。小屋松が良いボールを入れてくれました。(小屋松と得点王を分け合ったが)僕らが得点王を取れたのは、チームのみんなのおかげだと思っています。僕たちだけの力ではない。チームメートが守ってくれ、良いボールを配球してくれたからなので、感謝しています。今大会では、勝負は技術以上に気持ちが大事だということを学びました」