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関東第一高校(東京都)

関東一_東京都

関東第一高校(東京都)

東京都江戸川区松島に所在する私立関東第一高等学校のサッカー部。全国高校サッカー選手権大会で通算5回、全国高校総体(インターハイ)で通算6回の全国出場を誇り、いずれの大会でも全国ベスト4(第3位)進出の実績を持つ東京都屈指の強豪校である。通称「関一(かんいち)」の愛称で親しまれ、徹底した足元の技術と緻密なポゼッション、ゴールから逆算したスピーディーなパスワークを武器に、東京の高校サッカー界に新風を巻き起こし続けている。

学校設立

学校法人守屋育英学園が運営する関東第一高等学校は、1925年(大正14年)に教育者である守屋荒美雄および村上周三郎によって創立された歴史ある私立高等学校である。帝国第一工業学校や関東第一商工学校などの前身を経て、戦後の学制改革に伴い新制高等学校へと移行した。建学の精神に基づき「貫行(かんこう)」を校訓として掲げ、自ら定めた目標に向かって最後までやり抜く強い意志と実行力を持った人材の育成を推進している。

学校は東京都江戸川区の閑静な住宅街に位置し、長らく男子校として伝統を築いてきたが、2004年(平成16年)に男女共学化を実施した。現在は普通科単科のなかに「特別進学コース」「進学Aコース」「進学Gコース」「スポーツコース」などの多様な進路希望に応じたコース体系(進級時のコース改編制度を含む)を整備し、国公立大学や難関私立大学への進学から専門技術の習得、トップアスリートの育成まで幅広い教育を展開している。近年では校舎の全面リニューアルなど教育環境の充実が進められ、硬式野球部やサッカー部をはじめとする運動部・文化部が全国屈指の強豪として名を馳せている。

サッカー部創部

関東第一高等学校サッカー部は、学校の歴史とともに歩みを進めてきた。創部当初から長年にわたり東京都内の激戦区において上位進出を狙う中堅校の位置にあったが、2000年代中盤からチーム強化が本格化し、急速に頭角を現した。2007年には全国高校総体(インターハイ)東京都予選を突破し、創部以来初となる全国大会出場(全国ベスト16)を達成。チーム史における大きな転換点を迎えた。

その後、2010年に小野貴裕監督が就任したことで、チームのサッカースタイルと育成メソッドが劇的に刷新された。徹底したボールコントロールと個の判断力を極限まで高める攻撃的ポゼッションスタイルを確立し、2015年のインターハイでは市立船橋などの全国強豪を撃破して初の全国第3位(ベスト4)に進出。2016年度(第95回)には悲願であった全国高校サッカー選手権大会への初出場を果たした。2021年度の第100回全国高校サッカー選手権大会では、国立競技場での開幕戦勝利を皮切りに快進撃を続け、同校初となる選手権全国ベスト4(第3位)を達成。東京都の高校サッカーを代表するトップブランドとしての地位を確立した。

現監督と指導陣

  • 小野貴裕(おのたかひろ)(在籍期間:2010年〜在任中)

    1980年6月12日生まれ、神奈川県出身。日本大学高等学校から日本大学へ進学し、現役時代はセンターバックとしてプレー。大学卒業後に指導者の道を歩み、2010年に関東第一高校サッカー部監督に就任した。「ゴールから逆算するサッカー」「ボールを握り主導権を奪う攻撃的スタイル」をチームに根付かせ、就任以降に選手権出場5回(第100回大会全国3位)、インターハイ出場5回(2015年全国3位・2017年全国8強)という輝かしい黄金期を築き上げた。選手の個性を引き出す指導力と柔軟な戦術眼に定評がある。

  • 歴代指導陣

    小野監督就任以前は、学校体育科教員や外部指導者が情熱的な指導で部を支え、2007年のインターハイ初出場などの礎を築いた。

現在の指導体制は、小野監督を中心に複数の専任コーチ、GKコーチ、フィジカルトレーナー、トレーナー陣が配置され、トップチームからB・Cチーム、1年生に至るまで一貫した育成方針のもとで手厚いサポート体制が構築されている。

全国大会などでの成績

全国高校サッカー選手権大会にはこれまで通算5回出場(2016年度、2017年度、2018年度、2020年度、2021年度)している。初出場となった第95回大会(2016年度)の開幕戦で野洲高校(滋賀)を破り全国初勝利を記録。第100回記念大会(2021年度)では国立競技場の開幕戦で中津東(大分)に6-0で大勝し、尚志(福島)、阪南大高(大阪)、静岡学園(静岡)といった全国屈指の優勝候補を次々と破って同校史上最高となる全国ベスト4(第3位)に輝いた(※準決勝は大会規定の新型コロナウイルス検査陽性判定に伴い出場辞退・不戦敗となったが、大会記録上は第3位として表彰された)。

全国高校総体(インターハイ)には通算6回出場(2007年、2015年、2016年、2017年、2018年、2022年)を果たしている。2007年に初出場でベスト16入りを果たすと、2度目の出場となった2015年大会では快進撃を見せて全国第3位(ベスト4)へ進出。2017年大会でも市立船橋と激闘を演じ全国ベスト8に進出するなど、「夏の関一」として全国舞台で高い存在感を示してきた。

高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグにおいては、地域最高峰のプリンスリーグ関東(2011年〜2012年、2017年、2022年に在籍)と東京都1部リーグである「T1リーグ」を主戦場として活動。2016年には東京都T1リーグを制覇してプリンスリーグ関東への昇格を果たすなど、激戦の東京および関東圏において常にトップレベルの強度で実戦経験を積み重ねている。

全国高校サッカー選手権大会

年度高校名(チーム名)大会名(出場回数)成績・結果備考
2016年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(1回目)2回戦敗退初出場(1回戦 1-0 野洲、2回戦 1-2 正智深谷)/優勝・青森山田(青森)
2017年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(2回目)1回戦敗退2年連続出場(1回戦 0-2 佐賀東)/優勝・前橋育英(群馬)
2018年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(3回目)1回戦敗退3年連続出場(1回戦 0-2 桐光学園)/優勝・青森山田(青森)
2019年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(東京都大会)都大会敗退(Bブロック準決勝敗退)東京都代表は國學院久我山(A)、東久留米総合(B)/優勝・静岡学園(静岡)
2020年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(4回目)2回戦敗退2年ぶり出場(1回戦 4-0 山辺、2回戦 1-1 PK6-7 神戸弘陵)/優勝・山梨学院(山梨)
2021年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(5回目)ベスト4(全国第3位)準決勝は大津戦の直前にコロナ陽性辞退(不戦敗)/優勝・青森山田(青森)
2022年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(東京都大会)都大会敗退(Bブロック準決勝敗退)東京都代表は國學院久我山(A)、成立学園(B)/優勝・岡山学芸館(岡山)
2023年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(東京都大会)都大会敗退(Bブロック準決勝敗退)東京都代表は早稲田実業(A)、堀越(B)/優勝・青森山田(青森)
2024年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(東京都大会)都大会敗退(Bブロック準決勝敗退)東京都代表は帝京(A)、堀越(B)/優勝・前橋育英(群馬)
2025年度関東第一全国高校サッカー選手権大会(東京都大会)都大会敗退東京都代表は堀越(A)、帝京(B)等/優勝・神村学園(鹿児島)

全国高等学校総合体育大会(インターハイ)

年度高校名(チーム名)大会名(出場回数)成績・結果備考
2007年度関東第一全国高校総体(インターハイ)(1回目)3回戦敗退(ベスト16)初出場(3回戦 0-1 流通経済大柏)/優勝・市立船橋(千葉)
2008年度〜2014年度関東第一全国高校総体(東京都予選)都予選敗退(詳細記録なし)2008年〜2014年は都予選敗退/各年度の優勝校記録あり
2015年度関東第一全国高校総体(インターハイ)(2回目)ベスト4(全国第3位)準決勝 2-5 東福岡/優勝・東福岡(福岡)
2016年度関東第一全国高校総体(インターハイ)(3回目)2回戦敗退2年連続出場(2回戦 0-3 青森山田)/優勝・市立船橋(千葉)
2017年度関東第一全国高校総体(インターハイ)(4回目)ベスト83年連続出場(準々決勝 1-2 市立船橋)/優勝・流通経済大柏(千葉)
2018年度関東第一全国高校総体(インターハイ)(5回目)3回戦敗退(ベスト16)4年連続出場(3回戦 1-2 阪南大高)/優勝・山梨学院(山梨)
2019年度〜2021年度関東第一全国高校総体(東京都予選)都予選敗退(2020年は総体中止)2020年度はコロナ禍により大会中止/2019・2021年は都予選敗退
2022年度関東第一全国高校総体(インターハイ)(6回目)1回戦敗退4年ぶり出場(1回戦 2-3 湘南工科大附)/優勝・前橋育英(群馬)
2023年度〜2025年度関東第一全国高校総体(東京都予選)都予選敗退2023年〜2025年は都予選敗退/各年度優勝校あり

高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ(プリンスリーグ関東/東京都T1リーグ)

年度高校名(チーム名)大会名成績・結果備考
2011年度関東第一高円宮杯U-18プリンスリーグ関東2部7位優勝・鹿島アントラーズユース(茨城)
2012年度関東第一高円宮杯U-18プリンスリーグ関東2部7位リーグ再編に伴い東京都T1リーグへ降格/優勝・市立船橋(千葉)
2013年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T14位優勝・FC東京U-18(B)(東京)
2014年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T13位優勝・実践学園(東京)
2015年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T12位プリンスリーグ関東参入戦進出
2016年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T1優勝参入戦勝利によりプリンスリーグ関東へ昇格
2017年度関東第一高円宮杯U-18プリンスリーグ関東10位東京都T1リーグへ降格/優勝・前橋育英(群馬)
2018年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T13位優勝・FC東京U-18(B)(東京)
2019年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T14位優勝・國學院久我山(東京)
2020年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T1上位新型コロナウイルス感染拡大により変則開催
2021年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T12位参入戦勝利によりプリンスリーグ関東2部へ昇格
2022年度関東第一高円宮杯U-18プリンスリーグ関東2部8位東京都T1リーグへ降格/優勝・昌平(埼玉)
2023年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T13位優勝・FC東京U-18(B)(東京)
2024年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T13位優勝・FC東京U-18(B)等(東京)
2025年度関東第一高円宮杯U-18サッカーリーグ東京 T14位東京都1部リーグを主戦場として活動

高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会(〜2010年)

年度高校名(チーム名)大会名成績・結果備考
1990年度〜2010年度関東第一高円宮杯全日本ユースサッカー選手権大会(東京都予選・関東予選)予選敗退(全国出場なし)全国大会出場記録なし(予選敗退)/2010年度をもって大会終了

部員数

総部員数は約100名前後(各学年30名〜35名前後)で構成されている。

カテゴリー構成・活動実態:

  • Aチーム(トップチーム):高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ東京 T1リーグ、全国高校総体、全国高校サッカー選手権大会に参戦
  • Bチーム:高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ東京 T3リーグに参戦
  • Cチーム/U-16チーム:地区リーグ、関東ルーキーリーグおよび各種U-16強化交流大会に参戦

部員の主な出身チームとしては、FC東京U-15深川・むさし、ジェフユナイテッド千葉U-15、東京ヴェルディジュニアユースなどのJリーグ下部組織出身者のほか、FC多摩、三菱養和SC、FCクラッキス松戸、クリアージュFC、ジェファFC、Forza’02、レッドスターJYFC、VIVAIO船橋SCなど、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の関東有力タウンクラブや強豪中学校から高い技術力を持つ選手たちが集まっている。

練習環境については、江東区新砂運動場サッカー場(人工芝)や近隣の公共球技場、校内トレーニング施設などを拠点として活用している。練習時間は平日放課後(週5〜6日活動、平日は16:30〜19:30頃、土日は公式戦または遠征・練習試合)に設定され、限られたピッチスペースと時間を有効に活用した高密度のトレーニングを行っている。

ユニフォーム

ユニフォームサプライヤーはATHLETA(アスレタ)を採用している。ファーストユニフォーム(HOME)は、鮮やかな「黄(イエロー)」をメインカラーとし、シャツが黄色、パンツが黄色(または黒色)、ソックスが黄色を基調としたアグレッシブな配色が特徴である。セカンドユニフォーム(AWAY)は、クリーンな「白(ホワイト)」または「水色」を基調とした配色を採用している。GKユニフォームには緑色やピンク色などが用いられる。胸部には学校名である「関東一高」または「KANTO DAIICHI」のロゴが配されている。

寮・生活環境

関東第一高校サッカー部には、部専用の学校直営寮は設置されていない(野球部には専用施設があるが、サッカー部は通い中心の体制となっている)。そのため、所属部員は基本的に東京都内、千葉県、埼玉県、神奈川県などの自宅から公共交通機関を利用して通学している。

遠方から進学・入部を希望する選手については、個人で民間下宿や学生マンション、親戚宅などを手配して通学する形となる。寮費や指定施設に関する公式な一律規定はなく、生活費・住居費は契約形態により異なるため公式には非公開となっている。選手たちは朝夕の通勤・通学時間を含めた自己管理を徹底し、学業と高強度の部活動を高い規律のもとで両立させている。

入学・入部案内

セレクション・練習会は、例年夏期(7月下旬〜8月頃)を中心に中学3年生を対象とした部活動体験会・練習会が開催される。参加形態はオープン参加制のほか、中学校・所属クラブチームの指導者を通じた事前打診・推薦型で実施されている。

一般入試で合格・入学した生徒の入部資格については、制度上一般入学生の入部も可能である。ただし、東京都1部(T1)および全国トップレベルを目指す強豪チームであるため、非常に高い基本技術と日々の厳しい練習に耐えうるフィジカル・メンタルが求められる。

偏差値および設置コースは以下の通りである。

  • 普通科 特別進学コース:偏差値目安 56〜58(国公立・難関私立大学進学を目指す)
  • 普通科 進学Aコース:偏差値目安 51〜53(有名私立大学進学を目指す)
  • 普通科 進学Gコース:偏差値目安 45〜47(大学・短大・専門学校など多様な進路に対応)
  • 普通科 スポーツコース:偏差値目安 41〜43(競技力向上と学業の両立を図る)

推薦入試の有無について、一般推薦入試(単願推薦・併願優遇)のほか、文化・スポーツ等特別推薦(スポーツ推薦・特待生制度)が実施されており、サッカーにおける卓越した競技実績や中学校での内申基準を満たした生徒を対象とした選考が行われている。

※これらの情報は年度・情勢により変動するため、あくまで参考情報となります。最新かつ正確な情報は必ず学校・クラブ公式HPをご確認いただくか、直接お問い合わせください。

チーム強化・指導方針

関東第一高校サッカー部の指導方針の根幹にあるのは、「個の技術の徹底的な追求」と「ゴールから逆算するインテリジェンス」の融合である。小野貴裕監督のもと、狭い局面でも失われない圧倒的な足元のボールコントロール技術、精緻なトラップ・パスワーク、そして状況を瞬時に認知して最適な判断を下す認知・判断スピードの養成を最重視している。

単にロングボールを蹴り込んでフィジカル勝負を挑むのではなく、GKや最終ラインから丁寧にボールを繋ぎ、相手のプレッシャーをいなしながらピッチ全体を使って主導権を握る「攻撃的ポゼッションサッカー」を展開。ボール保持時だけでなく、ボールを失った瞬間の即時奪回(プレッシング)や切り替えのスピードも徹底的に叩き込まれる。

また、フィジカルトレーニングにおいても単なる筋力強化にとどまらず、身体の連動性やコーディネーション能力の向上に着目。選手の「個別性」を尊重し、各選手が持っている最大の武器(ドリブル、パスセンス、俊敏性など)を最大限に発揮できる育成環境を整えている。この緻密な技術指導と戦術眼の養成が、数多くのプロ選手や関東大学サッカーリーグで即戦力として活躍するタレントの輩出へと結実している。

主なプロ選手一覧

  • 2014年度卒:音泉翔眞(関東第一高校 → 東京国際大学 → ヤマー大和SC → 東京23FC → 鈴鹿ポイントゲッターズ → カターレ富山 → 水戸ホーリーホック → AC長野パルセイロ → ヴァンラーレ八戸)
  • 2014年度卒:角口大征(関東第一高校 → 水戸ホーリーホック → 鈴鹿アンリミテッドFC → 東京23FC)
  • 2017年度卒:篠原友哉(関東第一高校 → 桐蔭横浜大学 → ジェフユナイテッド千葉)
  • 2018年度卒:山脇樺織(関東第一高校 → 同志社大学 → ギラヴァンツ北九州 → アビスパ福岡)
  • 2021年度卒:肥田野蓮治(関東第一高校 → 桐蔭横浜大学 → 浦和レッズ)
  • 2022年度卒:本間凜(関東第一高校 → 国士舘大学 → 川崎フロンターレ)

※掲載基準:高校卒業後に直接または大学・社会人を経てJ1〜J3(Jリーグ公式戦・プロ契約)または海外プロクラブに所属した選手のみを掲載。JFL・地域リーグ専属所属選手や現役アマチュア選手は除外している。

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